その2 ページ2
.
今日もアフレコブースの隅っこで
なるべく邪魔にならないように、そっと出番を待つ。
やっぱり売れてる声優さんはすごいな。
一声出しただけで引き込まれてしまう。
そして自分のダメさに落ち込んで、今日もアフレコが終わる。
毎日毎日それの繰り返し。
アフレコが終わり、��お疲れ様でした��と小さく呟き、
台本をそっとバッグの中に入れて、
椅子から立ち上がろうと顔を上げると、
目の前に谷山さんが立っていた。
ビックリして思わず固まっていると
��Aさん、お疲れ��と声をかけられた。
あの��谷山紀章��さんが
私になんか話しかけるわけがないと思い、
辺りをキョロキョロしてしまう。
「えっ？Aさんだよね？」
『は、は、はい。Aです。』
「キョロキョロするから、俺、間違えちゃったかと思ったわ。」
『すみません。』
「別に謝ることじゃねーよ。」
『いや、本当にすみません。』
「ふははは。また、謝った。」
『あの、私に、何か御用でしょうか。』
「最近、アフレコ一緒になること多いな、と思って。」
『あぁ、そうですね。はい。』
「また、よろしくね。」
『は、はい。宜しくお願いします。』
「ん、じゃーね。」
『お疲れ様でした。』
谷山さんはひらひらと手を振って、
アフレコブースから出て行った。
谷山さんが私の名前を知っていたこと。
最近、アフレコの現場がよく一緒に
なっていることを知っていたこと。
私に話しかけてくれたこと。
その事実に驚いてしまって、スタッフさんに
��Aさん、大丈夫？��と声をかけられるまで
アフレコブースでぼんやりとしていた。
毎日同じことの繰り返しだと思っていたけど、
たまにはこんな良い日もあるんだな。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 95人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ぽむ(プロフ) - 春さん» コメントありがとうございます。こちら、私の力不足で面白い話が書けそうにないので更新は出来ないと思います。せっかく��大好き��と思って頂いているのに申し訳ないです。 (2019年8月16日 21時) (
レス) id: 734935f625 (このIDを非表示/違反報告)
春 - こちらの作品も大好きです！更新お待ちしてます！応募してます！ (2019年8月10日 3時) (レス) id: a9126db244 (このIDを非表示/違反報告)
チョコミント - ぽむさん» はい！楽しみにしてます！ (2018年10月31日 8時) (レス) id: 146bec57bf (このIDを非表示/違反報告)
ぽむ(プロフ) - チョコミントさん» コメントありがとうございます。ゆっくりですが更新していきますので、また読んで頂けたら嬉しいです！！ (2018年10月30日 21時) (レス) id: 734935f625 (このIDを非表示/違反報告)
チョコミント - 頑張って下さい！ 応援してます！ (2018年10月30日 12時) (レス) id: 146bec57bf (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ぽむ | 作成日時：2018年10月27日 23時
