89.何も知らないあなた ページ40
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「や、硝子。
連れてきたよ」
夜蛾学長と別れて悟くんに連れられてやってきたのは、高専内の医務室だった。
ツンと鼻につく消毒の匂いに迎えられて木製のドアをくぐると、病院によくあるような丸椅子に座った黒子が特徴の綺麗なお姉さんと目が合う。
「ああ悟。遅かったな」
「まーね。夜蛾先生に捕まって」
「なるほど。…で、その子が？」
「そう。白峰A。今は五条A。僕が引き取った白峰千景の子供で転生体。
A。コイツが僕の同期の家入硝子。反転術式の使い手で、他人にも転用できる稀有なヤツだよ」
悟くんにサッと説明されてペコリとお辞儀する。
お姉さんには入り口に立ってないで入って座れと医務室に通された。
それにしても、悟くんはわたしに《絶対》と約束したあの話をこの人にしたのか。
それを察したのか悟くんに頭をさっと撫でられる。
「A。硝子は信頼できるヤツだよ。
それに僕に相談できないことがあるなら、硝子に頼るといい」
Aは思慮深いけど、溜め込む癖があるから。と、
悟くんがそこまで言うのは珍しい。同期、と言っていたけど本当に手放しで信頼しているようだ。
コトリとコップに注がれたオレンジジュースが置かれてお礼を言う。
「……それにしても、ただの子供に見えるな」
「そりゃそうでしょ。僕の眼でもわかんないんだし」
「ふーん。術式が関係してるわけじゃないんだ」
「そ。だってA術式持ってないし。でも強いよ。僕が言うんだ。ガチで強い」
へぇ、と硝子さんが笑う。
悟くんにそう言われてちょっとソワソワした。
「Aちゃん。改めて、私は家入硝子。このバカの同期で、いまは高専の医務員をしながら大学に通ってる。よろしく」
「五条Aです。よろしくお願いします」
「Aちゃん今幾つ？」
「小学3年生」
「ちっさいわけだ。じゃあ中身の方は？」
「………合算したらハタチは越えてるよ」
高校生で死に、死神になってからも数年生きた。
特に時間の流れがねじれた《上》にしばらくいた時期もあったからそれも合わせると今の歳は20をゆうに超える。
「へぇ。じゃあ同い年ぐらいなわけだ」
「そうだけど……。大人になれずに死んだから感性は子供のままだよ」
わたしは仕事を知らない。学生のまま死んだから。
社会も知らない。経験を積めない歳だけ積んだ子供だ。
だからきっと、大人とは呼び難い。
「……そっか」
その言葉に硝子さんは目を伏せた。
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rion20051222(プロフ) - 千手皎天汰炮の詠唱が脳内で勝手に浦原さんボイスで再生されます。😇女の子が言ってはずなのに、、この作品めっちゃ好きです。BLEACHと呪術廻戦めっちゃ好きなのでコラボ？クロスオーバー？の作品が見られてとても嬉しいです。☺️応援してます。🥰 (2022年11月12日 18時) (
レス) @page26 id: bb474d7fe4 (このIDを非表示/違反報告)
朱鷺(プロフ) - 綴さん» 藍染推しがいてむっちゃ嬉しい笑。藍染を喋らすのに難しすぎていつも頭抱えてるので、言葉遣いが好きって言っていただけて嬉しいです。出張った藍染楽しみにしていてください！ (2022年8月18日 12時) (レス) id: 153811d407 (このIDを非表示/違反報告)
綴(プロフ) - 藍染惣右介が出張ってるの好きです。朱鷺さんの作品の雰囲気や言葉遣いが好きです。これからも応援してます。 (2022年8月17日 15時) (レス) id: 5b5b2f3cf9 (このIDを非表示/違反報告)
朱鷺(プロフ) - ありささん» ありがとうございます！地道に頑張ります (2022年8月15日 17時) (レス) @page42 id: 153811d407 (このIDを非表示/違反報告)
ありさ(プロフ) - すごく面白かったです。とても続きが気になります…。もう更新されないのでしょうか？？更新されることを心より祈っています^ ^ (2022年7月15日 6時) (レス) id: 6d37357eb7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：朱鷺
| 作成日時：2021年9月6日 16時
