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5.毎夜のおやすみ ページ7




この間の怪我を治してくれたお礼に、硝子ちゃんと買い物に行った。


私の体は、私の術式の関係で反転術式が効きにくい。
それなのに彼女は根気強く怪我の治療にあってくれたのだ。

ほんと、先輩なのに頭が上がらない……。




「硝子ちゃん、どうする?ほかの二人にもケーキ買って帰る??」


「あー、でたでた。A先輩のお人好しなところ」




お洒落な外観のお洒落なケーキが置いたお洒落なお店。
一人で入るにはすこし勇気が必要な、そのお店で硝子ちゃんは呆れたようにため息をついた。


どれも目移りしてしまうようなケーキだけれど、硝子ちゃんはあまり甘いものが好きではないらしい。
そんな硝子ちゃんにはもうすでに、酒のつまみかっと思うような類のお菓子たちを買ってあげた後だった。



「そんなにお人好しだからウチのバカ共につけ込まれるんですよ」


「……付け込まれるって」


「最近悟なんて、先輩の部屋まで押し掛けてるみたいじゃないですか。
あいつ厚かましいからヒートアップしますよ?」


「………、なかなか断れなくてね。私も一緒にいるの楽しいし」



女子の部屋に入り浸るのはどうかと思うが、なんやかんやとそれで私の睡眠回避にはなっているのだ。

それに今回のケーキは私が食べたいからこのお店に寄っただけで、別に彼らのためじゃない。



結果的にその日はケーキを3つ買って帰路に着いた。




――――――
――――
――



帰っても後輩二人は任務で不在だった。

共用の冷蔵庫には『お土産にケーキ買ったから食べて』と傑くんと悟くん宛に張り紙をしたから多分気がつくだろう。



今日は天気が良くて、星空が綺麗に見えたから談話室で映画を見るのをやめ寝巻きで外に出た。

いつのまにかあの茹だるような暑さも消えて、季節は秋に近づいている。


今年の夏は特別暑かった。
冬も厳しくなるのだろうか。




寮の裏手の近くにすこしひらけた場所がある。

そこで、星を見上げて呪力を練った。



寝ないために映画を見るし、漫画を読むし、ラジオだって聞く時もある。
必要のない勉強をしてみては、こうやってこっそり術式の練習をする時だってあった。


「A」




それから暫くしたら、なぜか五条くんが顔を出した。

不貞腐れたように顔を歪めて、映画見ようぜと珍しく誘ってきた。




どうやら、彼は傑くんと喧嘩したらしい。


-

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設定タグ:五条悟 , 呪術廻戦   
作品ジャンル:アニメ
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かるうら(プロフ) - 50話分しかなかったはずなのに、今までにないくらいの重量感で恐れ入りました。なんだか第5章くらいまで読んだ気分です。2章に行って参ります! (2020年8月3日 21時) (レス) id: 2c64977e89 (このIDを非表示/違反報告)
サイコロ - 最の高だ…推しが絡んでる… (2020年3月19日 16時) (レス) id: d3e3d1ba1a (このIDを非表示/違反報告)
さとう - とても面白いです!応援してます! (2020年3月9日 19時) (レス) id: 74e459d58c (このIDを非表示/違反報告)
朱鷺(プロフ) - 吉田さん» いいえ!神様は芥見下々先生です!!!でも、そう思ってくださり嬉しいです (2020年3月6日 22時) (レス) id: b5f5114d16 (このIDを非表示/違反報告)
吉田(プロフ) - 作者様は神でしょうか?( ˘ω˘ ) スヤァ… (2020年3月5日 1時) (レス) id: fb4495920c (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:朱鷺 | 作成日時:2020年1月19日 23時

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