【異国の歌.肆】 ページ7
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『“Pleased to meet you”
【お会い出来て光栄だ】
“Hope you guess my name”
【俺の名前を言い当てられるかい?】
中原さんも知ってますよね。
本来なら諜報機関の諜報員は、名前を持ちません』
「………そりゃぁな。
名前どころじゃない。
やばいところに潜る時は、生きていた痕跡までも抹消する。
年齢、出身、家族構成などの経歴は極秘情報として管理され洗浄し、更には整形をして顔や歯形さえ変える」
『………私も諜報機関の一員ですが、潜りをする訳ではありませんから例外です。
ですが、私の過去と呼べるものはもう無いでしょう。諜報機関にとって弱味はあるべきではない、そして容易く消せるものですから。
そんな過去を持たない私たちは、私たちでさえ互いを誰だか知りません。
恐らく、ポートマフィアにも私の他に【トロイ・メライ】からのNOCはいるでしょうね』
「………お前も知らないヤツが??」
『はい。恐らくは』
NOCは、スパイとバレた時点で役目を失う。
形無き人で有らなければならない。
影を踏まれれば、動けないのだ。
そのため、驚異的な技術を一人一人が持ち味方さえも欺く。
『そんな私たちに、ピッタリじゃないですか。
“Hope you guess my name”
【俺の名前を言い当てられるかい?】
姿がなく、過去がなく、名前も消された【トロイ・メライ】の人間は。
何度聴こうが、私たちの名前を云い当てられる他人などいないんですよ』
誰かがその問に答えようが、帰ってくる答えは全て欺く為の偽物の名前。
世界の歴史を見つめ続けてきたのに、すぐ隣にいた
それでも問いかける、この曲。
「…………皮肉だナ」
『はい。
__________悪魔を憐れむ様な歌ですから』
それでも、この曲は嫌いになれない。
無意識でも口ずさむほど、私に合った曲。
「なぁ。
Aの名前は、土佐Aだろ?」
その質問に、私は苦笑いした。
『はい。
“今の名前は”、土佐Aですよ』
私は所詮、常に悪を欲し、常に善を成し遂げる力の一部なのだ。
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【異国の歌.肆】
(悪は、善が正しくあるために存在する)
(だって、悪役が居ないのなら正義の味方は存在しないだろ?)
(絶対的な悪に立ち向かうなら。
誰であろうが、其の行為そのものが正義となる)
訳が間違ってたらごめんなさい。
あと、今日中に本編も
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朱鷺(プロフ) - 慊さん» 毎度コメントありがとうございます。頑張ります! (2016年9月9日 21時) (レス) id: 27d4bf92b8 (このIDを非表示/違反報告)
慊(プロフ) - 大成功でしたね!これからも更新楽しみに待ってます!頑張ってください! (2016年9月7日 20時) (レス) id: d38973eca7 (このIDを非表示/違反報告)
朱鷺(プロフ) - 慊さん» この曲を聴いてる時に、この話の原点。『そうだ、原作にはないもう一つの組織勢力を作ろう』と思ったんです。しっくりしたと思われたのが、私が思ったことが伝わったようで凄く嬉しいです。有難うございます (2016年9月5日 21時) (レス) id: 4dc04444c1 (このIDを非表示/違反報告)
慊(プロフ) - 曲からこの話を作ったのかも知れませんけどこの話のためにあるような曲ですね!すごくしっくり来ます。 (2016年9月3日 19時) (レス) id: d38973eca7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:朱鷺 | 作成日時:2016年9月1日 21時