【彼女の部下の嘆き.参】 ページ15
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「………なんだ、これ」
目に入ったのは、ベッドメイキングされたベッド。
ミネラルウォーターなどが置いてあるテーブルと椅子、棚。
そして、奥にあるシャワールーム。
淡白な部屋だ。
Aらしいく余計なものはない、少しばかり寂しげのある部屋。
だが、問題はそこじゃない。
「おい、A。
テメェ俺に喧嘩売ってんのか?」
『まっ、_________真逆!』
妙に浮く部屋の隅に積まれたダンボール。
そこの中を除くと、ある種予想していた物たちが詰まっている。
「シリアルにカロ〇ーメイト、某栄養補強食品、エナジードリンク、栄養ドリンク。あと野菜ジュースも。
オマケにサプリメントかァ」
低い声が出た。
俺といる時は普通の食事をとっていたが、ひとりになるとそれさえサボるのか。
「首領に突きつけてやろうか?
元医者がみたらどんな反応するか…………」
『そ、それだけはやめて下さい!!
全て私の不徳の致すところ!
………もう二度とカンベンです』
………なんだ。
1度首領に搾られてんのかよ。
はぁ、とため息つく。
Aの部下からは休ませろと言っていたが、もっと根本的な解決が必要そうだ。
Aは頑張っている。
が、自らの体を酷使しすぎだ。
「__________今やってる作業。
後どれぐらいで終わる?」
『へ?
後、…………半刻ほど頂ければ区切りは付きます』
「そうか」
首をかしげるAをよそに、俺は椅子に座る。
装飾品なんてない、座るという機能のためだけに作られた只の椅子。
『中原さん……?』
「待ってやるから終わったら声かけろ。
………飯食って、帰るぞ」
テーブルの上にあった、本を手にする。
斜め下から、目を見開くAを見て、ニヤリと笑った。
『__________ッ!
中原さん、大好きです!!愛してます!!』
「………………ッ」
パタパタと駆けてメイン制御室へと入っていったAをジト目で睨む。
意味を考えず、感情のままに云ったんだろうから余計にタチが悪い。
「軽々しく、ンな事言うんじゃねェよ。
たくっ、」
舌打ちをして、手元の本を開いた。
数行読んで、ポツリと呟く。
「………何語だよ、コレ」
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【彼女の部下の嘆き.参】
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朱鷺(プロフ) - 慊さん» 毎度コメントありがとうございます。頑張ります! (2016年9月9日 21時) (レス) id: 27d4bf92b8 (このIDを非表示/違反報告)
慊(プロフ) - 大成功でしたね!これからも更新楽しみに待ってます!頑張ってください! (2016年9月7日 20時) (レス) id: d38973eca7 (このIDを非表示/違反報告)
朱鷺(プロフ) - 慊さん» この曲を聴いてる時に、この話の原点。『そうだ、原作にはないもう一つの組織勢力を作ろう』と思ったんです。しっくりしたと思われたのが、私が思ったことが伝わったようで凄く嬉しいです。有難うございます (2016年9月5日 21時) (レス) id: 4dc04444c1 (このIDを非表示/違反報告)
慊(プロフ) - 曲からこの話を作ったのかも知れませんけどこの話のためにあるような曲ですね!すごくしっくり来ます。 (2016年9月3日 19時) (レス) id: d38973eca7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:朱鷺 | 作成日時:2016年9月1日 21時