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【百鬼ノ図と彼女.壱】 ページ10

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そびえ立つ楼閣。



中原中也は、その最上階の部屋の扉をノックする。
許可が出ると、その華美で厚い扉を開いた。





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「済まないね。
今日はAちゃんの子守を任せて。

楽しめたかい?」




「………、Aはそんなに手が掛からないので。
それなりには楽しめました」




「それは良かった」




お気に入りの帽子を胸に当てたまま、直立不動で社交辞令を返す。


特に意味の無い、つまらない会話だと思う。
だからこそ、こういう事に人柄が出るのだと首領は昔語った。




「で、どうしたのかな中也くん。
報告は書類だけでいいって云ったはずだけど……?」




「Aの事で気になることがありまして、お伺いしました」





「…………、へぇ。話を聞こうか」




すっと、森の表情が切り変わる。
首領らしさがにじみ出る姿に、中也は気を引き締めた。






「身体のコントロールがきかなくなって居るようです。



階段での段差、モノとの距離感覚、聞こえないはずの距離での音を聞き分ける。

俺が確認した限りでは、五感のうち視覚、聴覚、触覚が鋭くなっています。



これは彼女の、異能によるものですか?」




本人は体の不調だと思っているようだが、今日の彼女は明らかにおかしかった。




「そっか」





森はゆるりと笑った。

こうなる事が、彼にはわかっていたのだろうと中也はさとる。




「じゃぁ、中也くんに聞こうか。
【土佐Aの異能の正体】はなんだ?


もう、答えが出ているんじゃないかい」





意地の悪い質問に、顔をしかめる。
ここまでピースが揃えば、何となくは見えてくるもの。


彼女の………、【百鬼ノ図】の正体が。






「【百鬼ノ図】。


それは、“双方が友達となる。
いや__________、主従関係を築いたモノの特性を、己に付与・上乗せする”異能。



従が急速に増えた今日。


無意識の内に行っていた制御がキャパを越えて、Aは五感のコントロールがきかなくなっている」






…………、これは、モノの上に立つことを前提にした異能だ。






その答えに、森は満足そうに笑う。

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【百鬼ノ図と彼女.壱】

【百鬼ノ図と彼女.弐】→←【異能と私】



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設定タグ:文スト , ほのぼの系 , 中原中也   
作品ジャンル:アニメ
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暁郗 - イヴアールって何ですか?馬鹿ですみません…… (2021年1月17日 15時) (レス) id: 14cb33816d (このIDを非表示/違反報告)
朱鷺(プロフ) - シャロンさん» うおぅ。変換ミスすみません。ありがとうございます (2016年9月16日 20時) (レス) id: 27d4bf92b8 (このIDを非表示/違反報告)
シャロン(プロフ) - 重厚ではなく銃口ではないですか? (2016年9月16日 20時) (レス) id: c0512120b1 (このIDを非表示/違反報告)
ひよこリュナ(プロフ) - 朱鷺さん» 日頃から自由人の彼にはいい罰ですねww (2016年8月30日 18時) (レス) id: 071c21dacc (このIDを非表示/違反報告)
朱鷺(プロフ) - ひよこリュナさん» 本編でセリフゼロは可愛そうかなと思いましてwwwオマケで枠外扱いですw (2016年8月28日 20時) (レス) id: 4dc04444c1 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:朱鷺 | 作成日時:2016年7月22日 19時

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