【トロイの使者と首領】 ページ44
二期楽しみ
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翌日の早朝。
楼閣の最上階には訪問者が来ていた。
突然の訪問者。
そして、その者が秘密主義のトロイの円卓の一角を担うものとあって大騒ぎ。
トロイの二人と、ポートマフィアの首領。幹部という形で最上階の執務室に人が集まった。
「そんな訳で、こちらにお伺いさせて頂きました。
安藤、と申します」
深々と礼をする、スーツ姿の安藤くんに首領は引きつった笑みを浮かべた。
私も若干呆れる。
「粋なり、そんな訳でと話を振られても途中経過がないんだけど……。」
『………、安藤くんってたまに意味わからない行動とるよね』
「最近シリアスばかりだったから、巫山戯る事も必要かと思ったんですが……、」
『………センス無い』
私の一言に、大袈裟に安藤くんは落ち込んだ。
明るい茶髪反面表情を暗くしてポツリと「勉強し直します」と零した。
______なんかズレてるんだよなぁ。安藤くん。
沁沁そう思った。
「_______ゴホンっ」
首領の咳払い一つで、部屋の空気が変わった。
体感温度が数度下がった気がする。
カリスマ性と云うか、リーダーシップと呼ぶのか。
こういうのは転生の才能なのだろう。
私は、すみませんと頭を下げ。
安藤くんは何時もの爽やかな表情を消して、冷たい目で薄く笑った。
「仕切り直そうか。
よく来たね安藤くん。君の噂は予予聴いているよ。
知っているだろうけど、私はポートマフィアの仕切り屋をやっている森鴎外という者だ」
「ご丁寧にどうも。
去説、Mr.森。僕はご存知の通り、此度は【トロイ・メライ】の使者として参上致しました。
此度のギルド戦、微力ながら我々も手をお貸ししようと思い至りまして」
崩さない笑顔の仮面。
表情を悟られないための冷たいそれに、首領は心理戦には意味が無いと独ずく。
流石、顔役。交渉戦術に抜かりがない。
「それは有難い。
断る理由はこちらには存在しないよ。
けどね、私は立場的にこの一言を云わなければならない。
“何故”と」
「えぇ。勿論承知しています」
しかし、と困った顔でちらりと私を見た安藤くん。
それに私は悟る。
あぁ、成程。
私に話を聞いて欲しくないという事か。
首領も同意見なようで、
「Aちゃん。席を外してもらえるかい?」
そう云われて、強制退室させられた。
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【トロイの使者と首領】
(私だけ仲間はずれか!)
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暁郗 - イヴアールって何ですか?馬鹿ですみません…… (2021年1月17日 15時) (レス) id: 14cb33816d (このIDを非表示/違反報告)
朱鷺(プロフ) - シャロンさん» うおぅ。変換ミスすみません。ありがとうございます (2016年9月16日 20時) (レス) id: 27d4bf92b8 (このIDを非表示/違反報告)
シャロン(プロフ) - 重厚ではなく銃口ではないですか? (2016年9月16日 20時) (レス) id: c0512120b1 (このIDを非表示/違反報告)
ひよこリュナ(プロフ) - 朱鷺さん» 日頃から自由人の彼にはいい罰ですねww (2016年8月30日 18時) (レス) id: 071c21dacc (このIDを非表示/違反報告)
朱鷺(プロフ) - ひよこリュナさん» 本編でセリフゼロは可愛そうかなと思いましてwwwオマケで枠外扱いですw (2016年8月28日 20時) (レス) id: 4dc04444c1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:朱鷺 | 作成日時:2016年7月22日 19時