【13番目.参】 ページ42
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『安藤くんだ!』
「おーおー。おせーぞ安藤。
先に始めちゃったじゃねぇか」
「僕が来る知ってながら、先に始めたのはイヴアールさんでしょう?」
茶髪くせっ毛の青年。
苦笑いしながら安藤くんは12番目の議席に腰を下ろした。
『何で此処に?
君、出席しない予定だったよね』
「まぁ、一応僕はトロイ・メライの顔役なんで。
最近戦況がコロコロ変わるからこんな会議には成る可く参加するようにしてるんですよ。
ギルドの事もあるから……」
そっか。
安藤くんは13人いる円卓の中で唯一無二、世界に名を轟かせる。
お義父さんも有名だが、円卓の騎士としてでは無い。
唯一顔を出して円卓の騎士として活動する安藤くんは正に、諜報機関としてのトロイメライの顔役と云えるだろう。
故に、世界中を飛び回る。
同時に厄介事が、降りかかる。
「ま、名前も仕草も趣味まで全部。
他人になりすまさなければならない貴方達と比べると楽なもんですよ。
まだ、自分が誰であるか忘れずにいられますから」
『私としては、どろどろに煮つめた腹の探り合いの方が嫌だけど。
“お互いいい関係を築きましょう”とか云いながら、1時間後には射殺でしょ?
私は駆け引きとか苦手だな___________、』
信頼もへったくれもあったもんじゃない。
在るのは片方が破れば破綻する条約。
疑わしければ、死を。
そこに慈悲は無く。
温情もなく。
悲愴もない。
常に、
互いが互いの後頭部に銃口を突きつけているのだ。
違うのは、安全装置(セーフティー)に指をかけてるだとか。
引き金に指をかけているか、の差。
「____僕に駆け引きとかぶっちゃけ関係ないですけど」
『……あー。そうだった!
安藤くんの異能力ってそういう系だっけ………。
あれって、反則技じゃん』
安藤くんの異能力
名前は忘れたけれど……確か【1/10=1】と云う馬鹿げた能力だ。
ジャンケンをするとしよう。
すると、彼は勝つことも負けることも引き分けることも、全てが思うままなのだ。
ジャンケンで使用するのは3手だけ。
1/3で勝てる勝率を彼は操作できる。
「コイツにはゼってー賭けは挑まねぇ」
イヴアールが苦笑いて語る。
1/10=1。
その能力は、限定的な未来操作とも云得るかも知れない。
自分が、殺されるかどうか。
ソレさえもYes or Noの二択で選べるのだから。
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【13番目.参】
(競馬とかやったらチートだよね)
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暁郗 - イヴアールって何ですか?馬鹿ですみません…… (2021年1月17日 15時) (レス) id: 14cb33816d (このIDを非表示/違反報告)
朱鷺(プロフ) - シャロンさん» うおぅ。変換ミスすみません。ありがとうございます (2016年9月16日 20時) (レス) id: 27d4bf92b8 (このIDを非表示/違反報告)
シャロン(プロフ) - 重厚ではなく銃口ではないですか? (2016年9月16日 20時) (レス) id: c0512120b1 (このIDを非表示/違反報告)
ひよこリュナ(プロフ) - 朱鷺さん» 日頃から自由人の彼にはいい罰ですねww (2016年8月30日 18時) (レス) id: 071c21dacc (このIDを非表示/違反報告)
朱鷺(プロフ) - ひよこリュナさん» 本編でセリフゼロは可愛そうかなと思いましてwwwオマケで枠外扱いですw (2016年8月28日 20時) (レス) id: 4dc04444c1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:朱鷺 | 作成日時:2016年7月22日 19時