【私と中原さん.参】 ページ35
_
『おっ…………』
“テメェは離れてろ”と云われて、階段に座りながら傍観する。
太宰さんの一撃が極まった。
拳が中原さんの鳩尾に入ったのを見たけれど、あれだけでは足りないだろう。
中原さんの心配はしない。
万が一があろうと、白兵戦では太宰さんは中原さんに絶対に勝てない。
幾らセンスがあろうが、理解力がたかろうが、経験の差だけは埋まらない。
心技体、守破離。
けど________________
『止めないでいいのかなぁ………』
けど、中原さん楽しそうに殴ってるんだよね。
太宰さんが怪しいのはわかる。
分かるけれど_____________、彼の目的は既に看破された。
と考えると、この戦いに意味は無い。
『………違う。
なら、此処に太宰さんが留まる理由がない。
芥川くんに殴られることが目的ではないはずだし____________。』
この戦いに、何の意味がある?
太宰さんは今回、ポートマフィアはキャッチ・アンド・リリースの方向で、別に逃げられたところで構いはしない。
『なら、この戦い自体が目的そのもの?
…………戦い自体?なんかしっくり来ないな』
真逆、“あの手紙”が関連しているのか?
自身を死罪に問われない為の、切り札だと踏んでたけど…………、それすらもフラグ?
詰まりは逆で、守る為の切り札では無く脅す為の……?
『なら、今の場面は…………』
ナイフを突きつけられた太宰さんに眼をやる。
彼は直ぐに気が付いて、格好付けに器用に片目を閉じた。
人差し指を口の前に持ってくる。
あぁ、成程。
黙ってろという事か………。
これには眉を寄せるしかない。
今の中原さんを止めた方がいいのか、私には計りかねる。
『_______こういう時は、コイントス』
ポケットからコインを取り出す。
表が、助ける。
裏が、傍観。
親指で弾き、
コインは弧を描いて________________
__________________
____________
______
「あれ?
中也を追いかけないくていいの?」
『いえ、
あのままだと余りにも中原さんが不憫なので。
師の敵討ちと云う事です』
ニコリと笑った。
笑う私の手には、1通の手紙が__________、
_
【私と中原さん.参】
1164人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「文豪ストレイドッグス」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
暁郗 - イヴアールって何ですか?馬鹿ですみません…… (2021年1月17日 15時) (レス) id: 14cb33816d (このIDを非表示/違反報告)
朱鷺(プロフ) - シャロンさん» うおぅ。変換ミスすみません。ありがとうございます (2016年9月16日 20時) (レス) id: 27d4bf92b8 (このIDを非表示/違反報告)
シャロン(プロフ) - 重厚ではなく銃口ではないですか? (2016年9月16日 20時) (レス) id: c0512120b1 (このIDを非表示/違反報告)
ひよこリュナ(プロフ) - 朱鷺さん» 日頃から自由人の彼にはいい罰ですねww (2016年8月30日 18時) (レス) id: 071c21dacc (このIDを非表示/違反報告)
朱鷺(プロフ) - ひよこリュナさん» 本編でセリフゼロは可愛そうかなと思いましてwwwオマケで枠外扱いですw (2016年8月28日 20時) (レス) id: 4dc04444c1 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:朱鷺 | 作成日時:2016年7月22日 19時