【獄舎の騒動.参】 ページ28
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「_______それは君の独断先行かい?」
『真逆!それはないです。
林太郎さんと話し合いましたとも。人虎に膨大な賞金を掛けた組織が何処であるか。それを知っても貴方達は手の打ちようがない。
どうしよもないと。』
「………つまり、私が組織を知る事は君たちのメリットにもデメリットにもならない。
_____________いや、ならそんなどうでもいい事にマフィアは動かない。
ここに置いておく理由が、“足止め“なら。
ここに招き入れた理由は、“探偵社が賞金を掛けた組織を知る”事にメリットがあるから_?」
そう。
マフィアは既に、ギルドとの戦争を見越して動いている。
ギルドの戦力は“まだ”計り知れないが、作戦としてギルドと探偵社をぶつけるのはほぼ決定事項なのだ。
そこで、探偵社に遅れを取られたら困る。
相打ちになってくれなければ、困るのだ。
言わばこれは私からの餞別。
私は太宰さんの問に答えずに、曖昧に笑う。
ほぼ、結論としては正解に近いがそれには過程がない。
そして、それを教えるつもりも毛頭ない。
「______やれやれ。
マフィアはしばらく見ないうちに大きな戦力を手にしたようだね。
Aちゃんは昔SEといってたから、今はさしずめハッカーという事かい?」
『それと似たような事を。
訂正すると非合法なのでクラッカーの方が近いですね』
食べるアレじゃないぞ。
まぁ、太宰さんには私が諜報官だとか幹部だとか教えるつもりは無いけど。
お喋りさんは舌を切られちゃうから。
『去て。
そろそろ林太郎さんに呼び出される頃だから行きますね』
「あの人からの呼び出し?
私のせいで不備でもあったかい??」
小首を傾げる太宰さんに、これは教えていいか、と私は口を開く。
『いえいえ。
本来なら違う子があなたを捉えるはずだったけど、私がその仕事奪っちゃったんですよ』
「……そ、そこまで私に会いたかったのか。
ごめんよ、気が付かなくて…………」
『断じて違います。
その子………、まだ小さい少女何ですけど、貴方の相手をさせるのは酷だったもので。
じゃぁ、何かあったら大声でも出して人呼んでください。
後程、芥川くんが来るのでそれ迄は大人しくしといてくださいよ』
「うげ、ヤダなぁ」
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【獄舎の騒動.参】
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暁郗 - イヴアールって何ですか?馬鹿ですみません…… (2021年1月17日 15時) (レス) id: 14cb33816d (このIDを非表示/違反報告)
朱鷺(プロフ) - シャロンさん» うおぅ。変換ミスすみません。ありがとうございます (2016年9月16日 20時) (レス) id: 27d4bf92b8 (このIDを非表示/違反報告)
シャロン(プロフ) - 重厚ではなく銃口ではないですか? (2016年9月16日 20時) (レス) id: c0512120b1 (このIDを非表示/違反報告)
ひよこリュナ(プロフ) - 朱鷺さん» 日頃から自由人の彼にはいい罰ですねww (2016年8月30日 18時) (レス) id: 071c21dacc (このIDを非表示/違反報告)
朱鷺(プロフ) - ひよこリュナさん» 本編でセリフゼロは可愛そうかなと思いましてwwwオマケで枠外扱いですw (2016年8月28日 20時) (レス) id: 4dc04444c1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:朱鷺 | 作成日時:2016年7月22日 19時