【大空を飛ぶ.肆】 ページ25
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『__________ッえ?』
私を、ポートマフィアから引き離す?
「そ。
私を誘拐しようとしているところ悪いけど、私も君を誘拐させてもらおう」
『________ッ!!!』
先に動いたのは、太宰さんだった。
先手必勝。
一撃で決めるつもりだったのか、太宰さんは鳩尾を狙い拳を捻り出す。
私は冷静に、それをいなした。
(大丈夫。
中原さんより、速さも、押しも強くない)
いなした後ぐっと腰を落とし、相手の懐に入る。
_________突き出す拳は、当たる直前にねじ込むようにひねる。
奇しくも、太宰さんに手をクロスしてガードされてしまうが、彼は一旦下がり距離をとった。
「_______いやいや。驚きっぱなしだよ。
Aちゃんに武術の心得があったなんて。
しかも、どことなく_______ッ!!」
『うっさいですよ!!』
開けた距離をすぐ詰めて、大きく飛ぶとかかと落としを食らわせる。
それを横に横によけられると、素早く足払いを。
「……わぉ、身軽だねぇ。
てか、どことなく中也に似てるところがムカつく」
『そりゃぁ、そうでしょうね。
あのコンクリートに囲まれた、冷たく薄暗い部屋で、
何度も、床に伏しては血反吐を吐き
壁に叩きつけられては骨を折り
拳を握っては、砕かれ続けた。
彼は、そうやって私がマフィアの闇に押し潰されないように、手を尽くしてくれましたから』
痛いと泣き叫んだけど、
辛いとは一言も云わなかった。
あれは、私を生かすための死闘だった。
「さしずめAちゃんは、中也の愛弟子という事か。
尚更、ポートマフィアに返すのは気に食わないな………」
『私の居場所。
それは貴方が決めていいことではありません!』
双方決定打がない攻防。
その中、私は次の一手に出る。
私の目は太宰さんの拳を捉え、パシンッと手袋をした手のひらで受け止める。
『_______“異能力なしで”、太宰さんに勝てない事は想定済みです』
ニヤリと笑う。
「_______えっ?」
私の黒い笑みに、太宰さんの素っ頓狂な声が出た時、
_______バチッ_______っと、空気を裂く音が響き、太宰さんの身体はふらりと倒れた。
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【大空を飛ぶ.肆】
(スタングローブ最強!)
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暁郗 - イヴアールって何ですか?馬鹿ですみません…… (2021年1月17日 15時) (レス) id: 14cb33816d (このIDを非表示/違反報告)
朱鷺(プロフ) - シャロンさん» うおぅ。変換ミスすみません。ありがとうございます (2016年9月16日 20時) (レス) id: 27d4bf92b8 (このIDを非表示/違反報告)
シャロン(プロフ) - 重厚ではなく銃口ではないですか? (2016年9月16日 20時) (レス) id: c0512120b1 (このIDを非表示/違反報告)
ひよこリュナ(プロフ) - 朱鷺さん» 日頃から自由人の彼にはいい罰ですねww (2016年8月30日 18時) (レス) id: 071c21dacc (このIDを非表示/違反報告)
朱鷺(プロフ) - ひよこリュナさん» 本編でセリフゼロは可愛そうかなと思いましてwwwオマケで枠外扱いですw (2016年8月28日 20時) (レス) id: 4dc04444c1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:朱鷺 | 作成日時:2016年7月22日 19時