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【大空を飛ぶ.弐】 ページ23

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来るであろうマフィアの使者を待ち、太宰は街をあてもなく歩いていた。






「______________ッ!」






かん高い音が響き上を見上げた。




______オオワシ______





ヨコハマでは見ることの出来ない稀有なソレが、頭上を舞う。


全長は1mを超え、羽を広げれば2mをゆうに超える身体に、鋭く大きな黄色い嘴。
黒と白の別れた二色の羽。

獲物を捉える鋭い爪を持った脚。



天空の覇王の呼び名にふさわしい、獣の長。





「何故此処に………」





それが頭上を旋回していた。
まるで………、


______何者かに自分の居場所を知らせるように




______________________
_______________
_________




数ヶ月ぶりに聞いた、懐かしい声だった。





『________お久しぶりです、太宰さん』





波紋がなく、
流れずに静かにとどまって、澄んだ止水(しすい)の様な心地よい声。



空を見上げていた太宰は、名前をよばれて目線を前に戻した。





「………驚いた。

迎えは来るだろうと思ってたけど、真逆君が来るとは。

_____________久し振りだね、Aちゃん」




『…………私は出来れば会いたくなかったですけどね』




冷たい対応も昔のまんまで苦笑する。



甘栗色の髪をした、少女。
昔より伸びた髪は上に纏め縛り上げられ、流された前髪は大人っぽさを感じさせた。




「また一段と、美しくなったようじゃないか。
私に何の用かは………、その服装を見れば予想はつくさ」



『安いお世辞は結構です。
あなたは麗しい美女がいたら同じ様に声をかけているでしょうから。


御託を重ねようと私のやる事は変わりませんし……』




そう言うと少女は悲しそうに目を細めた。


大人を真似て、背伸びをしているようにしか見えない黒の正装の姿。
形跡が残らないようにつける、白の手袋。

スカートではないのは動きやすさを重視してだろうが、スーツパンツの膨らみはホルスターに拳銃のモノだろう。



どれもが、彼女に縁のあるものだとは思えなかった。





「込み入った話があるようだし、場所を変えるかい?」






Aちゃんは静かに頷いた。


_
【大空を飛ぶ.弐】
(相変わらず小さいねぇ)
(うっさい)

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設定タグ:文スト , ほのぼの系 , 中原中也   
作品ジャンル:アニメ
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暁郗 - イヴアールって何ですか?馬鹿ですみません…… (2021年1月17日 15時) (レス) id: 14cb33816d (このIDを非表示/違反報告)
朱鷺(プロフ) - シャロンさん» うおぅ。変換ミスすみません。ありがとうございます (2016年9月16日 20時) (レス) id: 27d4bf92b8 (このIDを非表示/違反報告)
シャロン(プロフ) - 重厚ではなく銃口ではないですか? (2016年9月16日 20時) (レス) id: c0512120b1 (このIDを非表示/違反報告)
ひよこリュナ(プロフ) - 朱鷺さん» 日頃から自由人の彼にはいい罰ですねww (2016年8月30日 18時) (レス) id: 071c21dacc (このIDを非表示/違反報告)
朱鷺(プロフ) - ひよこリュナさん» 本編でセリフゼロは可愛そうかなと思いましてwwwオマケで枠外扱いですw (2016年8月28日 20時) (レス) id: 4dc04444c1 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:朱鷺 | 作成日時:2016年7月22日 19時

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