【羅生門の頼み事】 ページ21
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『芥川くん、いますか?』
鉄で出来た重たい扉を開けて、中を覗く。
異能者専用の訓練室。
そこは、何もかもが通常より頑丈に出来た牢獄のような場所だ。
「……此処だ」
『_________?』
声がした奥の方に向かうと、芥川くんが壁背を預けて座っていた。
ここで一人で、何をしていたのだろう?
………いや、何となくわかる気がする。
座った彼に小走りで近づいた。
「済まない。こんな所に呼び出して」
『いえ。私は基本、本部に引きこもってますから。外部に呼び出されない限り不便はありません。
それで?
要件は何でしょう』
芥川くんは数秒考えたそぶりを見せると、口を開いた。
まだ、どこか戸惑いがあるようだが……
「電車のジャックを頼みたい。
白虎を捉える為、貴方のお力貸し頂けるか?」
『具体的には?』
「白虎の乗車時間。列車の番号。
それさえ解れば充分………」
『_______芥川くんの戦闘体型を考えると、列車の中のような狭い場所は合いませんよ?』
「それは承知。
僕は出向かない。
やるのは梶井基次郎と泉鏡花」
『…………。』
スウッと目を細める。
………、心を殺すとはこの事か。
ならば、
『梶井さんがるのなら、仕様は彼に任せましょう。
私はあくまでも時間の指定だけで大丈夫ですよね』
「あぁ、十分だ。感謝する」
『_________ついでに、もう1人の方も私がなんとかします』
「?」
『子供に彼の相手をさせるのは酷ですから。
街ですれ違った時にでも回収しておきましょう』
「真逆、貴方は____________」
『軽い運動ついでです。
心置き無く、芥川くんが動けるのなら一石二鳥ですから』
太宰さんにいどむのなら、異能に頼らず肉弾戦で挑む他ない。
けれど私は、
『ふふ。
あの中原さん直伝ですよ?
負けたら私の死活問題です』
考えたくもないけど、
……中原さんに扱かれるだろうなぁ。
「_______、口調戻ったな」
『?』
口調?
いきなり何だ?
「そっちの方が、貴方らしい……」
珍しく、
本当に珍しく。
彼は小さく優しく笑って出ていった。
もちろん私を残して。
___________目を疑った私を残して。
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【羅生門の頼み事】
(………………今の、誰?)
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暁郗 - イヴアールって何ですか?馬鹿ですみません…… (2021年1月17日 15時) (レス) id: 14cb33816d (このIDを非表示/違反報告)
朱鷺(プロフ) - シャロンさん» うおぅ。変換ミスすみません。ありがとうございます (2016年9月16日 20時) (レス) id: 27d4bf92b8 (このIDを非表示/違反報告)
シャロン(プロフ) - 重厚ではなく銃口ではないですか? (2016年9月16日 20時) (レス) id: c0512120b1 (このIDを非表示/違反報告)
ひよこリュナ(プロフ) - 朱鷺さん» 日頃から自由人の彼にはいい罰ですねww (2016年8月30日 18時) (レス) id: 071c21dacc (このIDを非表示/違反報告)
朱鷺(プロフ) - ひよこリュナさん» 本編でセリフゼロは可愛そうかなと思いましてwwwオマケで枠外扱いですw (2016年8月28日 20時) (レス) id: 4dc04444c1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:朱鷺 | 作成日時:2016年7月22日 19時