【幾年を馳せ.壱】 ページ13
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「やぁ、おかえり」
「おかえり、A」
にこやかに迎えられた私は、不気味さを感じながらも仰々しい礼をする。
林太郎さんはご機嫌らしい。
『ただいま帰りました。
長らく留守にしてしまい申し訳ありません。
林太郎さん。エリス嬢』
「いいんだよ。
君はあくまでも派遣社員なんだから。
本社を優先することは仕方がない………。
ま、君がいなくて諜報部の方がてんわやんわだったみたいだけどね」
『げっ……………。
全部一任したはずなのに』
首領である、林太郎さんにこんなことを言わせるとはあとでペナルティだな。
「ふふ。
君と同等の仕事が他のものに出来ると期待するのが間違いだよ。
もう少し自分の評価を上げたらどうだい?」
『それでも、………。
人一人の穴を、埋められなくてどうしますか』
「埋められないほど、君の功績は大きいということだよ」
はぁ、とため息を吐く。
「でも、Aなら向こうでもこっちの仕事できたんじゃない?」
『それは無理です。
元々私が使ってるここのメインコンピュータはインターネットからセキュリティ面を考えてLANにも繋いでおりません。私が扱う機密情報の漏洩防止のため、スタンドアローンの状態にさせてあります。
私がアメリカに行く前に妨害電波等も強化していましたから…………。
後先考えないのなら、クラッキングできなくもないですが』
「うん。
やっぱよくわかんないや」
『______未だ世界の最先端を行く専門的な知識ですから仕方ありません。
エリス嬢』
「そうだね。
疎いからしょうがない。
専門家に任せるしかないから。
さて、これからどうするかい?
中也くんの方の情報の根回しをしてもいいし、芥川くんの手助けをしてもいい。
異能の調整もしかり。
それとも、サーバー強化を図るかい?」
『んー。
中原さんは時間がかかっても、しっかり帰ってきますから。
逆に、手助けなんかしたら怒られそうです。
芥川くんの方は、先に【ギルド】からの依頼書を見せてください。
最近西洋の動きがきな臭い………』
「はぁ………。
世界最高峰の諜報機関ね。
一体その情報源はどこなのか。
【ギルド】から依頼を受けた事は公表させてないんだが……………、ま、いいだろう」
林太郎さんは机の引き出しから紙の束を出す。
「君の意見を聞こうか」
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【幾年を馳せ.壱】
※原作の1巻の裏方
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暁郗 - イヴアールって何ですか?馬鹿ですみません…… (2021年1月17日 15時) (レス) id: 14cb33816d (このIDを非表示/違反報告)
朱鷺(プロフ) - シャロンさん» うおぅ。変換ミスすみません。ありがとうございます (2016年9月16日 20時) (レス) id: 27d4bf92b8 (このIDを非表示/違反報告)
シャロン(プロフ) - 重厚ではなく銃口ではないですか? (2016年9月16日 20時) (レス) id: c0512120b1 (このIDを非表示/違反報告)
ひよこリュナ(プロフ) - 朱鷺さん» 日頃から自由人の彼にはいい罰ですねww (2016年8月30日 18時) (レス) id: 071c21dacc (このIDを非表示/違反報告)
朱鷺(プロフ) - ひよこリュナさん» 本編でセリフゼロは可愛そうかなと思いましてwwwオマケで枠外扱いですw (2016年8月28日 20時) (レス) id: 4dc04444c1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:朱鷺 | 作成日時:2016年7月22日 19時