【猫とカラスの闘い.弐】 ページ7
_
『ああっ!けっしてデマとか言うわけじゃなくて___________』
「……いやいい。無理にいうことは無い」
『え?』
福沢さんは焦ってことの次第を話そうとする私を遮った。
その顔は、何を考えているのかはわからない。
……だって猫に夢中でこっち見ないんだもん。
「人には言えない秘密が一つ二つはあるものだ。それを無理に聞き出そうとする真似はしない」
『………。』
いっしゅん。
ほうけてしまった。
仕方が無いじゃないか。こういう人には初めてあったんだから。
それぐらい、私には衝撃だった。
『ありがとうございます』
深々と礼をすると、今度は福沢さんが目を見開いた。
けど、その後優しく笑ってくれたのだ。
それにつられて、私も笑顔になる。
「“ああ、そうだ。
今度は東の方の公園に移動するって伝えて”」
『え?』
「?」
『いやっ、何でもないです!』
そうだった。
この人といると、周りにはサビの声はにゃーにゃー鳴いているようにしか聞こえないのを忘れそうになる。
『サビさんは此処から東の公園の方に移動するらしいです』
「…相分かった。そう遠くもない。また会いに行こう」
「にゃぁー」
撫でている福沢さんの手を、サビはペロリと舐める。
“ありがとう”
そう言っているのが、彼にも伝わっただろうか。
こんど、私もサビにまた会いに行こう。
もしかしたら、またこの人と出会えるかもしれない。
そしたら、この子について教えてあげるのだ。
______
【猫とカラスの闘い.弐】
(サビさんは、鰹節ではなく煮干派なんです)
1099人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「文豪ストレイドッグス」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
暁郗 - 待って、どうしよう。夢主ちゃんのパパンがドチャクソタイプなんだが。素晴らしい作品を有難う御座います。 (2021年1月17日 14時) (レス) id: 14cb33816d (このIDを非表示/違反報告)
みう - BSでアニメ始まりますね!!!! (2019年3月21日 14時) (レス) id: 40cf893d3e (このIDを非表示/違反報告)
こっこ(プロフ) - fateも問題児シリーズもデュラララも大好きです!!趣味が合う……嬉しい…… (2017年11月13日 20時) (レス) id: 076e874b86 (このIDを非表示/違反報告)
夜生(プロフ) - お隣さんと丈比べの最後のほうなんですけど、「かいせぬ」って漢字で「解せぬ」って書きますか?それなら読み方は「げせぬ」ですよ。 (2017年5月4日 23時) (携帯から) (レス) id: 1ec733863c (このIDを非表示/違反報告)
朱鷺(プロフ) - ユウキさん» 返信遅れてスミマセン!!fate好きな人がいて嬉しいです!身近にいないもので….。エドモン君みたいなドロドロの復讐話(後半戦)になるか(占ツク的に成れるのか)分かりませんが頑張ります! (2016年10月14日 20時) (レス) id: 27d4bf92b8 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:朱鷺 | 作成日時:2016年6月5日 15時