【文スト】百鬼ノ図と隣人【壱】

【知己の仲】 ページ38

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「やぁ、久しぶりだね。Aちゃん」


『？？』



本日も晴天なり。
昨日に続き。


ワンコに振りまわされてイラッとした私は、昨夜の徹夜で休日をもぎ取ってやった。


カフェインと寝不足でテンションがハイなのは仕方がない。



まぁ、お仕事中の中原さんが見れてテンションが上がったのもあるけれど…………。



これは墓まで持っていく秘密だ。




と、まぁ、こんな感じの私。

名前を呼ばれるが、聴いたことがないような、いや、あるような………。やっぱりないか？？



そんな男の人の声で呼ばれた。



でも、“久しぶり”というのだからきっとあったことがある人だ。



誰だろう。
相手が覚えてて、私が知らないって失礼じゃないか？




『うっ、えーと。
お久しぶりです？』




と、誤魔かしてみた。




「ふふ。その様子では覚えていないようだね」




即、バレた。

苦笑いして、改めて声をかけてきた人を見る。



気の弱そうで、黒い服に身を包んだ人。


もう1回云おう。
………、兎に角気の弱そう。





「そっかー。まだ君は小さかったから覚えてないか。


君のお父さんから、この街に来ているって聞いて、…………。遅くなったけど挨拶しようと思ったんだ」




こんな、気の弱そうな人がお義父さんの知り合い？？

いただろうか。

けど、この街に来たって事は………、私が小さい頃この街に来た時にあった人___________？






『___________あっ！！林太郎さんですか！？』




「そうそう。
大きくなったねAちゃん」




『すみません。白衣の印象が強かったので………。思い出すのに時間がかかってしまいました』




「ふふ。それじゃあ私の本体が白衣みたいじゃないか」





久しぶりに会った林太郎さんは、ヨレヨレだけれど裾の長いジャケットを着ていた。

昔なら、ありえない。


医者＝白衣って感じがするからな。



………もしかして偏見？




『医者は続けているのですか？』




「いーや。

それがねぇ、辞めてしまったんだよ。
もともと診療所も持たない町医者だったからね」





『………そうなんですか。

診療している時の林太郎さんは優しくて好きだったのですが………。』




「ごめんね_____________って、別に今は無職なわけじゃないよ！？

と、立ち話もなんだし、どこか店に入ろうか？」




『はいっ』



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【知己の仲】
(森？もりぃ？もり？？
何処かで………)

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