【急転直下な1日.弐】 ページ11
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『はっ、はっ、はっ…………』
家まで走った。
制服姿でも構わない。
もしかしたらもう、マンションの部屋まで解約させられているかもしれない。
エレベーターに飛び乗った。
上に上がるのがいつももより遅く感じて、ギュッと目をつぶる。
深呼吸をして、目を開けるとエレベーターを降りて私の部屋_______角部屋へと向かった。
ドキドキと心臓がなった。
「なに、泣きそうな顔してんだ?」
『なか、はらさん………』
今から外出するのか、廊下で中原なんと出くわす。
彼の背で、私の部屋の扉が見えない。
でも、何も云わずに彼の横を通り過ぎることなんてできないんだ。
『な、なに云ってるんですか!?
ゴミが目に入っただけですよ』
ゴシゴシと慌てて目をこすった。
とっさにベタな言い訳で乗り切ろうとしたが、中原さんの眉間のしわがさらに深くなる。
やばい。
普段でも彼には嘘は通じないのに…………
「……脈が乱れてるし、目尻が赤い。さっきっから後ろを気にしてるな。
それに、__________学校はどうした」
疑問形ではない。
「この時間は学校のはずだ」と彼の目が訴えている。
ビクッ、と肩を震わしてしまった。
中原さんに、こんな情けない姿を見せたくはなかった。
それに、之はわたしの問題だ。
『わ、忘れ物をしたんです!
それに中原さんはどこかに出かけるご予定だったのでしょう?
私になんか構ってないで______』
グイッ、と腕を引っ張られた。
向かう先は、私の部屋_____________の隣で彼は手早く鍵を開けると私を押し込んだ。
『__________っ』
男の人の、強引な力に反応できなくて流されるようにドアをくぐる。
チラッと見えたのは、私の部屋のドア。
何も変わってなくて安堵して余計に泣きそうになる。
『(まだ、無事だった)』
部屋に入ると、腰に手を回されてもう片方は足裏へと回して地面から持ち上げられた。
『________きゃッ、
なっ、中原さん!!?』
バランスが保てなくて、慌てて中原さんの首に手を回す。
それに驚いたのか、私の顔をのぞき込んだ中原さんは、チッ、と舌打ちをした。
彼は私を抱えたまま、器用に私のローファーを脱がせて部屋の奥に進んでいった。
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【急転直下な1日.弐】
(!!!?!??)
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暁郗 - 待って、どうしよう。夢主ちゃんのパパンがドチャクソタイプなんだが。素晴らしい作品を有難う御座います。 (2021年1月17日 14時) (レス) id: 14cb33816d (このIDを非表示/違反報告)
みう - BSでアニメ始まりますね!!!! (2019年3月21日 14時) (レス) id: 40cf893d3e (このIDを非表示/違反報告)
こっこ(プロフ) - fateも問題児シリーズもデュラララも大好きです!!趣味が合う……嬉しい…… (2017年11月13日 20時) (レス) id: 076e874b86 (このIDを非表示/違反報告)
夜生(プロフ) - お隣さんと丈比べの最後のほうなんですけど、「かいせぬ」って漢字で「解せぬ」って書きますか?それなら読み方は「げせぬ」ですよ。 (2017年5月4日 23時) (携帯から) (レス) id: 1ec733863c (このIDを非表示/違反報告)
朱鷺(プロフ) - ユウキさん» 返信遅れてスミマセン!!fate好きな人がいて嬉しいです!身近にいないもので….。エドモン君みたいなドロドロの復讐話(後半戦)になるか(占ツク的に成れるのか)分かりませんが頑張ります! (2016年10月14日 20時) (レス) id: 27d4bf92b8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:朱鷺 | 作成日時:2016年6月5日 15時