嘘１個目 ページ2
先ほど外出許可証をもらいに出たところ、外は見事な秋晴れだった。
ノックもなしにドアノブをひねれば、本人曰く「頑張った」らしい畳床から、いぐさの香りががふわりとする。
『轟。行こー』
「お、来たか。」
部屋の主、轟焦凍は読んでいた本を机に置いて立ち上がる。
先週末、近所の大型ショッピングセンターに有名な蕎麦屋のチェーン店ができた。
それを聞いた蕎麦好きな私と、同じく蕎麦好きな轟が黙っているはずがなく、
来週に行こうと約束をしていたのだ。
いつからそんな仲になったと聞かれれば、はっきりとは答えられない。
いつの間にか隣にいて、よく休日はお互いをどこかへと連れ回す。
そんな日々を繰り返した
学校でももちろんそんな調子なので、周りからは付き合ってるんじゃないかとよく聞かれたりする。
２人の髪色から、２色組というなんとも不思議な名前も誕生した。
今日の蕎麦を食べに行くのだっていつもと変わらないお出かけだと思っていた。
「なぁA」
『ん？』
寮の玄関で数人にお見送りされ、外に一歩踏み出したところで轟の神妙な声に足が止まる
「俺、Aに言わなきゃいけねぇことがある」
俯いたその顔に、思わず身構える
『なに』
「俺の苗字...「とどろき｣じゃなくて
「くるまくるまくるま」って読むんだ...」
『は、？』
「それに俺、うどん派だ」
『えっ』
「しかもあったけぇやつ」
『嘘だろ！？』
「今まで黙ってて...悪かった」
『え、ちょっとまって、なん、なんで今言うか？轟、なんでそんな重大事実を、ん？え？』
「ちょっと落ち着け」
『落ち着けん』
衝撃すぎる。
今まで一緒にいて私は何を見てきたのか...
出席名簿には「とどろき」だし
あったかくねぇ(轟談)蕎麦はいつも美味しそうに食べているし
うどんが出てきた時は「うどんか...」とガッカリさをあらわにしていたし
あったけぇやつは嫌い、とこの前緑谷くんと私に断言してたし
頭の中がグルグルとかき混ぜられるような感覚。
口から相変わらずこぼれる困惑の言葉、言葉とも取れない呻きのようなものもこぼれる
『え...あ、轟...』
「なんだ？」
『なんか...ごめん』
どうやら今日はいつも通りとは行かなさそうだ
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小手鞠(プロフ) - ちぃとんさん» あーーーw集中ってそんな長く続きませんもんね…wお互い頑張りましょう！！ (2018年11月8日 20時) (
レス) id: 507b5d4fca (このIDを非表示/違反報告)
小手鞠(プロフ) - みおさん» ありがとうございます…！待っていてくださる方がいるなんて嬉しい（ ;ω ; ） (2018年11月8日 20時) (レス) id: 507b5d4fca (このIDを非表示/違反報告)
ちぃとん(プロフ) - 私も受験生なんですが、勉強もせずに占ツクに入り浸ってますw 私も勉強しなきゃな、、、 更新できるようになるまで私もおとなしく勉強しますw(；゜∀゜) (2018年11月8日 10時) (レス) id: 1c08bbf829 (このIDを非表示/違反報告)
みお(プロフ) - 受験勉強頑張ってください！小手鞠さんが落ち着いて更新できるまで待ってますね！初コメ失礼しました。 (2018年10月26日 11時) (レス) id: 7eccd963e8 (このIDを非表示/違反報告)
小手鞠(プロフ) - Rayさん» ありがとうございます！頑張ります！ (2018年10月23日 22時) (レス) id: 507b5d4fca (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：小手鞠 | 作成日時：2018年10月15日 18時
