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第百四十一話 ページ2

パキ…ッ

割れたガラスの破片を踏む音が木霊した

その瞬間、2人は同時に動き出した

ガキンッ

キンッ

キンッ

蜘蛛の足と刀がぶつかり合う

両者共に一歩も引かない

ズバッ

蜘蛛の足を『細雪』は斬る

「……………」

「(これで…確実にーーーーー)」

ドゴッ

「ーーーーーカハッ……!!」

ドサッ

Aは女郎蜘蛛によって壁まで吹き飛ばされた

「興醒めよ、五条A
何故私が術式だけで(・・・・・)戦うと確信していたのかしら?」

そう言った女郎蜘蛛はつまらなそうにAを見ていた

Aは女郎蜘蛛の長い脚によって蹴り飛ばされたのだ

背から出ている蜘蛛の足ではなく、人形呪霊として持っている脚でだ

「クッ…!」

Aは『細雪』を支えにして立ち上がった

そこを隙かさず、女郎蜘蛛は蹴りを仕掛ける

「…ッ!」

ドサッ

防御も受け身も取ったものの、Aは蹴り飛ばされてしまう

「あの夏油って術師から聞いたわよ
貴女、術式がないせいで失敗作扱いなんですってね」

「……………」

「それなのに何故、呪術師になんてなったのかしら?
貴女なんて、男に媚び売って生きたほうがよっぽどマシな生活送れたでしょうに」

「…お前に……」

「?」

「お前に…私の何が分かる…!」

Aはそう言いながら痛みと疲労が蓄積した身体を起こす

髪も服もボロボロだった

「何故呪術師になったか…?
私の、居場所を守る為だよ…!」

Aはゆっくりと立ち上がった

「居場所を…守る…?」

「高専は私の居場所だ
尊敬する先輩も、馬鹿な同級生も、かわいい後輩達も……誰一人だって欠けてほしくはない…!
私は…私の居場所を守る為なら、喜んで呪詛師だろうが呪霊だろうが、なんだってなってやる…!」

Aはそう言って『細雪』を鞘に納めた

「強欲ね
呪術師をやっている癖に、誰にも死んで欲しくないだなんて…」

「人間は皆、強欲なんだよ
自分が欲しい物の為なら、手段を選ばない」

女郎蜘蛛の言葉にAはそう言って前髪を耳に掛ける

「私の周りから、大切な人が減っていくのは…もう十分だ」

Aの眼は真っ直ぐと女郎蜘蛛を捉えている

「………お前は何故、あの偽物と組んだ?」

Aは女郎蜘蛛にそう問うた

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瑠花 - コメント失礼しますやっと乙骨君と来栖華ちゃんが来ましたね。私は華ちゃんのことが好きなので嬉しいです (2021年10月18日 17時) (レス) @page47 id: 40dcd18497 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:朱鷺の砂 | 作成日時:2021年5月19日 20時

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