Track52 ページ9
「どうやら、Aちゃんにとってこの三人は弟なんだね
ま、理鶯君はあげないけど」
「誰もくれとは言ってないだろ」
露路の言葉にAはそう言うと、
「司教官は今何をしているんだ？」
理鶯が露路にそう言った
「んー……イケブクロで教師してるよ」
「教師…司教官の授業か 懐かしいな」
「……理鶯君 僕はもう教官じゃないからそう呼ぶのは止めてくれるかい？」
「では、何と呼べば……」
「好きなように呼んでいいよ」
露路は理鶯に言った
「………」
理鶯は顎に手を当てた
「そんなに悩む必要はないと思うけど…」
「普通にさんをつけて呼べば良いのでは？」
考え込む理鶯にAと銃兎は言った
「司…さん…？」
「何だい？」
「あまり…呼び慣れないな」
「その内慣れるよ」
「あ…そうだ 姉貴」
「何？」
「姉貴ってピアスの穴何個開けてンだ？」
「……何個だったかなぁ」
左馬刻の言葉にAは自身の耳に触れた
「……10個だな」
「へぇ…結構開けてンだな」
「若気の至ってやつだな……見るか？」
Aはそう言うと、髪を耳に掛けた
「…でも10個ついてるわけじゃねぇんだな」
「そりゃあね……でも、どうして急にピアスを？」
「ん」
左馬刻は黒いケースを差し出した
「？」
中には黒のチェーンピアスが入っていた
「買ったは良いが、着ける機会が無くてよ
姉貴にやるわ ホントはそのつもりで今日此処に来る予定だったんだけどよ」
「ふーん…」
「ンだよ その目…」
「否……ありがたくもらっておくよ」
Aはそう言うと、右耳から二つピアスを外して、左馬刻から貰ったチェーンピアスを着けた
「良いじゃねぇか」
「そうか？ じゃあ、左にも着けるか」
「Aちゃん舌にピアス開けた？」
左馬刻と話しているAに露路は言った
「誰が開けるか」
「えー…僕はAちゃんが開けた時の為に用意してたのにー」
「………」
露路の言葉にAは引いたような目で露路を見た
「そんな塵を見るみたいな目で見る…？」
「それで……二人はこれからどうするんだ？」
銃兎がAと露路に聞いた
「どうする？ って言われてもねぇ、Aちゃん」
「…次のディビジョンラップバトルまでは中王区も此方に下手に手出しはして来ないだろうから、今まで通り…かな」
Aはそう言うと、煙草に火を着けた
「次のバトルか……」
「次こそ優勝する所を見せてくれるんだろう？」
そう言ったAの視線の先には左馬刻が居る
「当たり前だ」
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作者名：朱鷺の砂 | 作成日時：2020年3月28日 16時
