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Track72 ページ30

ーーーーー夜

Aはあるバーの扉を潜った

レトロな雰囲気のバー

Aはカウンターに座る男の隣に座った

隣に居るのは、ピンク色の髪にレトロな雰囲気には似合わない明るい色の服を着た、少年と見間違えてしまうような容姿の男

シブヤ・ディビジョン、Fling Posseのリーダーの飴村乱数

「ご注文は?」

バーテンダーがAに聞いた

「…アップルフレーズルを」

「かしこまりました」

「ノンアルコールカクテル?」

Aの注文に飴村がそう言った

「普通に飲みたいけど、生憎車で来ていてね」

「そうなんだ〜
ならやっぱり、オネーさんのバーでお話した方が良かったんじゃないの?」

「左馬刻君が来たら、困るのは君の方じゃないのか?」

「………」

「お待たせしました」

Aの前に、グラスが置かれた

「どうも」

Aは煙草を咥え、火を着けた

煙が店内に漂う

「それで、どうやって私のアドレスを?」

「天谷奴に聞いた」

先刻とは違う低い声で飴村は言った

「あのペテン師…」

「一本くれ」

「あぁ」

Aはそう言うと、飴村に煙草を差し出した

「フゥー……」

「それで、態々私の連絡先を調べてまで話したい事って?」

「露路・リー・司の連絡先が知りたい」

「…!」

飴村の言葉にAは驚きを顕にした

「天谷奴から、お前の事は聞いている
それ相応の対価は払うつもりだ…金でも何でも」

「一体何を吹き込まれたんだ? あのペテン師に」

呆れたようにAはそう言うと、灰皿に煙草を置いた

「…は?」

「別に私は、君から何かを巻き上げようなんて思っていない」

「………」

「君が中王区に見捨てられた事は、私の耳に入っている」

「…!」

Aの言葉に飴村は目を見開いた

「新生ヒプノシスマイク…厄介なものだな」

「……お前の忠告…その通りになった」

「………」

「……最初は、仕組まれて作られたチームだった
何時でも切り捨てる気だった…お前に言われた時、俺がそんなわけ無いって思った」

「………」

「でも…飴の効果が薄れてきて、中王区に見捨てられて、俺はもう長くは生きられねぇ」

「………」

「それを知って…俺がクローンだと知っても、俺を仲間だと、友達だと言ってくれる馬鹿な奴等が居るんだ」

飴村が話している間、Aは何も口を挟まなかった

ただ、立ち上る煙草の煙を眺めていた

「…フッ」

「何だ?」

「いや、変わったなぁと思って」

「は?」

「前に会った時は、警戒心の塊だっただろう?」

Aはナゴヤで飴村と会った時の事を思い出して言った

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作者名:朱鷺の砂 | 作成日時:2020年3月28日 16時

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