【ヒプノシスマイク】ＭＴＣのまとめ役には姉がいる〈2〉 (ページ25)

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「！姉さん…？」

そこには肩で息をする姉さんが居た

「何でこんな所まで……」

「姉さん…もう俺、姉さんと一緒に暮らせないの？」

「………」

「父さんと母さんはもう居ない…
姉さんは怪我してるし、高校だってあるからお金掛かるし……」

「…銃兎はどうしたい？」

姉さんは俺の隣に座って、そう言った

「え…？」

「銃兎は…その…親戚の家に行きたいの？」

「俺は……
俺は、姉さんと一緒に居たい」

「そっか…じゃあ、また一緒に住もうか」

姉さんは微笑んで俺にそう言った

「え…でも、学校とか」

「学校に行かなきゃ行けないの銃兎でしょ
高校なんて行かなくても生きていけるしね」

「………」

「ねぇ銃兎…お腹空かない？」

「え…うん」

「じゃあ、どっかに食べに行こうか」

姉さんはそう言うと、立ち上がって俺の手を引いた

そして、近くのファミレスまで俺を引っ張って行った

事故の傷が治ってないのにあれだけ蹴られて、それなのに俺を捜すために走って…

体中痛いはずなのに、辛いはずなのに、姉さんはそんな素振り一つも見せなかった

「(歳を誤魔化して仕事してると思ったら、何時の間にか司法試験に合格してて驚いたけどな…)」

銃兎はバルコニーで煙草の煙を吐き出した

すると、銃兎の携帯電話が着信を告げた

「はい」

『休暇を満喫してるか？』

「百鬼(なきり)さん…！おかげさまで」

『つっても、明日から仕事だけどな』

「ええ…何かありましたか？」

『あぁー……まぁ、あるにはあるな』

「？」

『今、お前のチームのリーダーが留置場に居るんだわ』

「え…左馬刻が！？」

『あぁ……どうすりゃいい？』

「出さなくていいですよ」

『え…良いのか？』

「ええ…先日の一件もあったのにも関わらずブタ箱にぶち込まれるような馬鹿には、一度頭を冷やしてもらわないと」

『あぁ…まぁ、明日出してやれよ』

「ええ」

電話を切った百鬼(なきり)は鉄格子の奥に居る左馬刻に

「頭を冷やせってよ」

苦笑を浮かべてそう言った

「あのウサポリ公…！」

「まぁ、仕方ねぇけど
それにしても、彼奴、本当悪い事企んでる時はAさんに似てんのな」

「そうかぁ？」

「あぁ
Aさんは、笑顔でサラッと毒を吐くからなぁ
検察庁じゃ有名だったんだぞ……あの人は笑顔の時が一番怖ぇって」

百鬼(なきり)はそう言うと、腕時計を見た

「へぇ…」

「俺今日当直だから、暇潰しに付き合ってやるよ」