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Track63 ページ20

「それで、先刻の話だけど……」

Aは銃兎に言った

「孝頼はーー」

「姉さん」

Aの言葉を銃兎は遮った

「…?」

「俺は、自分の手で真実を知るよ」

「!」

その言葉にAは驚きを顕にした

「姉さんに頼ってばかりじゃ、警察は務まらないからな」

「………」

「それに、俺はもう餓鬼じゃない
こいつ等は、姉さんの代わりに俺がしょっぴいてやるから どんな手を使ってでも」

銃兎はそう言うと、資料とアルバムを持って部屋の扉を開けた

「じゃあ、このアルバム借りて行く」

そう言って銃兎は部屋を出た



部屋で一人、Aは椅子に腰を下ろした

デスクの上に伏せられた写真立てがあった

Aはそれを元に戻した

Aと黒い蓬髪に青い瞳の男が映っていた

「……お前だったらもっと…上手くできるんだろうな」

そして静かにそう呟いた





四年前

「なあA 確か日曜日休みだろ?」

誰もいない喫煙室でAが煙草を吸っていると、黒い蓬髪の男が入って来てそう言った

「そうだけど……」

「水族館に行くの付き合ってくれ」

「……は?」

男の言葉にAは煙草の火を消して言った

「いや、妹の勉強の息抜きに連れて行きたくて下見してぇんだけど、一人じゃ行きづらくて… …頼む」

「…まぁ、良いけど」

「ありがとう! じゃあ、日曜日な」

そして当日

伊織(いおり)……待たせたか?」

待ち合わせ場所でAはそう言った

「いや…全、然」

「何だ?」

歯切れの悪い伊織にAは聞いた

「私服見んの初めてだし…新鮮だなって思ってよ」

「そうか?」

「ああ……そろそろ行くか」

そう言って、二人は水族館の中に入った

展示されている魚を見て、イルカショーを見る

一通り見て通路を歩いていた

すると

「ママー…どこぉ?」

小さな女の子が泣きながら通路に立っていた

「お嬢ちゃん、どうかしたのか?」

伊織は女の子と目線を合わせてそう言った

「ママがどこにもいないの…」

「そうか…ママとはぐれちゃったのか」

「この人だからな…」

女の子と伊織の会話を聞いたAは辺りを見回してそう言った

「お嬢ちゃん、名前は?」

彩芽(あやめ)

「彩芽ちゃんか…いい名前だな」

Aは微笑んでそう言った

「迷子なら、受付に連れてって方が良いか」

伊織はそう言うと、

「じゃあ、彩芽ちゃん
ママを見つける為に、俺達と受付に行こうか」

彩芽に優しくそう言った

「うん!」

何時の間にか彩芽は泣き止んでいた

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作者名:朱鷺の砂 | 作成日時:2020年3月28日 16時

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