Track58 ページ15
人気のない駐車場で、一郎はマイクを起動させた
「(あー…これ本気だ 煽りすぎたー…)」
露路も渋々マイクを起動する
「一兄…」
「露路先生…」
アンタには悪いが行かせてもらうぜ
俺等三兄弟 イケブクロの三銃士だ
アンタが言った事は正しいが言い方ってモンがあるだろ
どうせアンタもアッチ側だろ
教えてやんよ俺達の進化論を
「ヴッ…アッ…!」
ドサッ
露路は片膝を着いた
「(一兄が手加減してるとはいえ、片膝を着いただけ…!?)」
「(この人……バトルに慣れてる…!)」
「次は…此方の番だね」
言い方がキツかったのは謝るよ
でも勝ちたい君達への年長者からのアドバイス
力のアンバランスは致命傷
君達に必要なのはリノベーション
世界に必要なのはイノベーション
「ヴッ…アアアッ!!」
一郎は両膝を着いた
「一兄が…両膝を…!」
「兄ちゃん!」
「アンタは…一体……」
露路を見据え、一郎は言った
「今はまだ言えない……でも、いずれ判るよ」
露路はそう言うと、マイクを再起動させた
「…!」
一郎が受けたダメージが回復した
「マイクは返すよ……」
露路は三人に背を向け歩き出した
「君達は、強くならないと駄目だよ
この世界を変えたいと、本当に思っているのならね」
そう言い残して、露路はイケブクロの街を歩いて行った
「あーあ……やり過ぎた…」
露路は目に止まった本屋に入ると、高校生用の参考書を適当に手に取り内容を見た
「(つけられてるなぁ……どうしよ)」
本を読んでいるフリをして、露路はどうするか考えた
「(でも、この感じじゃあ相手はこの手の事に慣れてない
とすると…人混みに紛れれば逃げれるかな)」
露路は参考書を棚に戻すと、本屋を出た
そして、通行人に紛れた
ある程度、通行人の中を歩くと、露路は近くの路地に入った
すると、辺りを見渡す男が視界に入った
「(彼奴かぁ…)」
露路は携帯電話を取り出すと、男の写真を撮って路地を奥へと進んだ
「(尾行は下手だったけど、それをした目的はなんだ? ただのストーカーならまだ良いんだけど…)」
露路は先刻撮った写真をメールで何処かに送信した
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作者名:朱鷺の砂 | 作成日時:2020年3月28日 16時