Track57 ページ14
露路は少年に一枚の紙切れを渡した
「これ、君の行く孤児院の住所だ」
「……!」
「安心しな 僕の友達は信用出来るから」
露路はそう言って少年の頭に手を乗せた
「大丈夫 君の望むようになるからさ」
「…あ、ありがとう」
一郎の通報で、警察が来た
男は逮捕され、少年は保護された
「ありがとう、Aちゃん」
『面倒事を持ち込むのは相変わらずだな 呪われてるのか?』
「酷くない?」
『普通だ』
「知ってる…仕事中に御免ね」
『ああ』
露路は通話を終えると、
「三人共、何食べたい?」
一郎達に聞いた
「え…?」
「え?…って、夕食まだだろう?」
「それは…そうっすけど…」
「こんな事に巻き込んじゃったお詫びだよ」
露路は一郎にそう言った
「いや、でも俺達が勝手にアンタについて来ただけで…」
「子供が遠慮するんじゃないよ」
「じゃあ…いいっすか?」
「勿論」
四人は近くのファミレスに来た
「君達は次のディビジョンラップバトルにも参加するのかい?」
露路は三人に聞いた
「…はい」
「次は絶対に負けねぇ…!」
「ふーん…そっか」
露路は珈琲を一口飲む
「次のバトルは『MAD TRIGGER CREW』とのリベンジマッチかな」
「そのつもりっすけど……」
「んー……でもハッキリ言わせてもらうけど、この前のバトルのままだったら絶対に勝てないよ」
「「「!!」」」
「君達は兄弟だ チームワークって云う点では何処のチームにも負けてない
でも、バトルで勝てるか否かと云えば、否だろうね」
「何が言いたいんすか?」
露路の言葉に一郎が怒ったように言った
「二郎くんと…三郎君だったかな
君達二人は、一郎君に依存し過ぎている
憧れを追い掛けるのが悪いとは言ってないよ
でも、憧れって…追い掛けるんじゃなくて、追い越すものでしょ?
言い方がキツイようで悪いけど、一郎君が過保護過ぎるから、この二人は君に依存…否、甘えてるんだ」
露路は続ける
「それなのに勝ちたいだの優勝したいだの……そんなもの夢のまた夢だ」
「………」
「…この話は終わり 僕は会計を済ませるからね」
露路はそう言うと、レジで会計をした
「おい…アンタの言ってる事は正しいのかも知れねぇ
でも、こいつ等の力を知らねぇアンタにこいつ等を馬鹿にされんのは気に食わねぇ…!」
店を出ると、一郎が露路に言った
「ラップバトルでもする気かい?
生憎僕はヒプノシスマイクを持っていないが…」
「アンタにマイクを貸す」
「(これは…何を言っても聞かないな…)」
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作者名:朱鷺の砂 | 作成日時:2020年3月28日 16時