Track4 ページ6
左馬刻と理鶯を送り、帰路に着いた
鍵を開け家に入る
「姉さん、ただいま」
「…お帰り、銃兎」
電気を点け、リビングへと行く
棚に置かれた写真に向かい手を合わせる
「一緒に飲まないか?」
銃兎はそう言ってお酒の入ったボトルとグラスをテーブルに置いた
「じゃあ、少しだけ」
Aはそう言ってソファーに座った
「…最近、仕事はどう?」
「あー……左馬刻が面倒事を起こしてブタ箱に入れられること以外は良いよ」
「そう まぁ、順調って事ならいいか」
「…姉さんは?」
「え?」
銃兎の言葉にAは聞き返す
「先刻は、はぐらかされたが何なんだ? 店に来た彼奴等」
「云ったでしょ…しつこい客だって」
「客じゃないだろ 借金とか納税とか…少なくとも客とする話じゃない」
「……」
その言葉にAは口を閉ざした
そして
「それって……貴方が私に聞けるようなこと」
冷たくそう言った
「……ッ!」
銃兎は言葉に詰まる
姉であるAが銃兎のやっている事を黙認し、何も言わないのは事実
銃兎自身、それを承知している
「ハァ…何か今日は疲れた……早めに寝させてもらうよ」
Aは銃兎にそう言って自室に向かった
「……」
「(御免、銃兎……今はまだ、知るべきじゃない)」
「ラップバトル…か」
自室に入ったAはそう呟くと部屋の窓を開け、ベランダに出た
夜風が髪を撫でる
煙草を咥え、火を付けた
「フゥ-…」
煙を吐き出し、Aは携帯電話を取り出し、ある電話番号に電話を掛けた
ある部屋のテーブルで、携帯電話が震えた
「珍しい番号から電話が掛って来たね」
携帯電話の持ち主の女は通話釦を押すなりそう言った
『番号を変えていないのはどうかと思うが…』
「ハハッ どうせ変えてもバレちゃうんだから意味ないだろう?」
『…それもそうだな』
「それで、何の用?」
『もうじきあるテリトリーバトル…』
「ラップバトルか…懐かしいね」
『ああ…私は見に行くがどうする?』
「うーん…一応隠居中だけど、Aちゃんが行くってことは彼等が出るんだろ?
丁度渡したいものもあるし、彼等の腕がどれくらいのものなのか、見てみたいから行くよ」
『渡したいもの?』
「うん でも、Aちゃんと直接会って話せば目立つよね」
『少なからずは』
「だから、行き交う通行人に紛れてものを渡すよ」
『バレないようにな』
「分かってるって Aちゃんも目立たないようにね」
女はそう言うと通話を終了した
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和南(プロフ) - 最初のプロフィールの所の紹介欄で佐馬刻ではなく左馬刻ですよ (2020年9月8日 18時) (レス) id: adb4b6099f (このIDを非表示/違反報告)
朱鷺の砂(プロフ) - 猫苺さん» ありがとうございます!! (2020年5月1日 9時) (レス) id: 8ffe6e82ed (このIDを非表示/違反報告)
猫苺 - 30票にした達成感、、、。更新頑張って下さい!! (2020年5月1日 5時) (レス) id: 7adddb7655 (このIDを非表示/違反報告)
朱鷺の砂 - 莉那さん» あ…すぐに直します 教えて頂きありがとうございます (2020年3月5日 22時) (レス) id: 8ffe6e82ed (このIDを非表示/違反報告)
莉那(プロフ) - 入間さんの漢字 銃『兎』ですよ〜 (2020年3月3日 21時) (レス) id: b2b56d90f1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:朱鷺の砂 | 作成日時:2019年11月4日 0時