Track39 ページ43
ルーレット、ポーカー…
至って一般的なカジノだ
床に敷き詰められた赤い絨毯
天井から下げられた豪勢なシャンデリア
その通路を、我が物顔で歩く男が一人
長い髪を一つに束ね、サングラスをかけている
体は細いが、端麗な顔立ちをしている
故に、他の客から注目を浴びていた
「………」
男は、VIPルームへと続く通路を歩いた
見張りの男とすれ違いざまに
「準備はできてる」
「ああ…」
誰にも分からない程小さな声でそう言葉を交わした
ｺﾂｺﾂｺﾂ
足音が響く
男は、かきあげていた前髪を下ろし、束ねていた髪を解いた
豪勢な両開きのドアが目に映る
その前には、見張りの男が三人
「…止まれ」
くぐもった声で、見張りの男が言った
「
見張りの三人の目の前に居るのは、男ではなく女
「………」
「おい、女
どうやってここに入った？ 此処は、女は出入り禁止だ」
「……驚いたよ」
「…？」
「こんなに早く、仕掛けてくるなんて」
女はそう言って、サングラスを取った
エメラルドグリーンとダークレッドの瞳が三人を映す
「……その目は…！」
「真逆、お前…！」
「黒葛A…！」
VIPルームの扉の前に現れた女の正体はAだった
「一度しか言わないからよく聞け」
Aは言う
「そこを退けろ」
「あ？ 退けろ？ 俺の聞き間違いか？」
「否、間違ってなどいない」
「俺等がアンタの命令に従うわけねぇだろ」
三人は、ヒプノシスマイクを取り出した
「…大人しく言う事を聞いておけば良いものを……」
「銃兎さん 貴方は、ご自身の姉について何も知らないんですね」
皇が銃兎に言った
「……何…？」
「貴方達は、中王区を倒すことが目的なのでしょう？」
「テメェには関係ねぇだろ」
皇の言葉に左馬刻が言った
「ええ 私には、あまり関係ありません
ですが、良い事を教えて差し上げましょう」
「？」
「入間Aこと黒葛Aは、嘗て、現内閣総理大臣・東方天乙統女ら言の葉党に協力し、この馬鹿げた世界を作り出した……謂わば、共犯者です」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 139人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
和南(プロフ) - 最初のプロフィールの所の紹介欄で佐馬刻ではなく左馬刻ですよ (2020年9月8日 18時) (
レス) id: adb4b6099f (このIDを非表示/違反報告)
朱鷺の砂(プロフ) - 猫苺さん» ありがとうございます！！ (2020年5月1日 9時) (レス) id: 8ffe6e82ed (このIDを非表示/違反報告)
猫苺 - 30票にした達成感､､､。更新頑張って下さい！！ (2020年5月1日 5時) (レス) id: 7adddb7655 (このIDを非表示/違反報告)
朱鷺の砂 - 莉那さん» あ…すぐに直します 教えて頂きありがとうございます (2020年3月5日 22時) (レス) id: 8ffe6e82ed (このIDを非表示/違反報告)
莉那(プロフ) - 入間さんの漢字 銃『兎』ですよ〜 (2020年3月3日 21時) (レス) id: b2b56d90f1 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：朱鷺の砂 | 作成日時：2019年11月4日 0時
