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Track28 ページ32

ナゴヤから戻った翌日、AはBARに向かった

裏口から店に入ると、

「よぉ〜黒葛(つづら)ちゃん」

天谷奴がバースツールに腰掛けていた

「……」

Aは、カウンターとは反対側のソファーに腰を下ろした

「今日は、帰れって言わねぇのか?」

「言って欲しいのか?」

「そりゃあ、黒葛(つづら)ちゃんの嫌そうな顔が見れるからなぁ」

「随分な性癖だな」

Aはそう言いながら煙草に火を着けた

「俺にお酌をする気は無いのかい?」

「昼酒は感心しないな……抑、まだ閉店時間だ」

「俺と黒葛(つづら)ちゃんの関係だろ?」

「どんな関係だ」

天谷奴にAは煙を吐き出しながら言う

「……それで、何の用で来たんだ?」

「………」

天谷奴は口元に笑みを浮かべ、煙草に火を着ける

「真逆、何も無い訳じゃないだろう?」

「法務省の連中が大人しくなった…相変わらず、仕事が速いねぇ〜」

Aの言葉に天谷奴はそう言った

「あれは、そういう意味だろう?」

「物分りの良い女は好きだぜ」

「……そうやって、あの二人を口説いているのか?」

Aは煙を吐き出し言う

「おいおい…俺が口説くのは黒葛(つづら)ちゃんだけだぜ」

「勝手に言ってろ」

Aは煙草を灰皿に押し付けると、カウンターに行きカップに珈琲を注ぐ

コト

珈琲を天谷奴の前に置いた

「!」

「何だ?」

「いやぁ…真逆、珈琲を出してもらえるとは…」

「口止め料」

「何の?」

天谷奴の言葉にAは眼鏡を額まで上げた

「今、私の事を銃兔に話されては困る」

何時も隠れている右眼が顕になり、両目で天谷奴を見る

「久し振りに見たが…今はどれくらい見えるんだ? その右目」

Aの右目は、銃兔と同じ緑色の左目とは違い赤色の瞳だった

「ほぼ見えん」

「そうか…でも、珈琲だけじゃあ、口止め料にはならねえなぁ〜?」

そう言って天谷奴は珈琲を啜る

「…ペテン師が」

「ペテン師はダサいからやめてくれって何時も言ってるだろ〜黒葛(つづら)ちゃん」

「まぁ、元より珈琲の一杯や二杯で口止め出来るとは思っていない……何がご所望だ?」

そう言ってAはカップを置いて、煙草に火を着けた

「そうだなぁ〜……じゃあ、今日の夜また来っからよ〜…ツケにしてくんねぇか?」

「ツケ? ペテン師が律儀なことだ」

「何? 無料(タダ)にしてくれんの?」

「………今、厄介な事があって…その事について情報をくれるなら無料(タダ)にしてやっても良い」

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和南(プロフ) - 最初のプロフィールの所の紹介欄で佐馬刻ではなく左馬刻ですよ (2020年9月8日 18時) (レス) id: adb4b6099f (このIDを非表示/違反報告)
朱鷺の砂(プロフ) - 猫苺さん» ありがとうございます!! (2020年5月1日 9時) (レス) id: 8ffe6e82ed (このIDを非表示/違反報告)
猫苺 - 30票にした達成感、、、。更新頑張って下さい!! (2020年5月1日 5時) (レス) id: 7adddb7655 (このIDを非表示/違反報告)
朱鷺の砂 - 莉那さん» あ…すぐに直します 教えて頂きありがとうございます (2020年3月5日 22時) (レス) id: 8ffe6e82ed (このIDを非表示/違反報告)
莉那(プロフ) - 入間さんの漢字 銃『兎』ですよ〜 (2020年3月3日 21時) (レス) id: b2b56d90f1 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:朱鷺の砂 | 作成日時:2019年11月4日 0時

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