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「………」
沈黙が続いた
「それは、私には理解出来ない事だ」
Aは言った
「中王区の企みについて、私も現状を詳しくは把握していない
ただ言えるのは、当分、貴方達に中王区側が危害を加えないという事だけ…」
「そうか…」
「ディビジョンラップバトルは、中王区では、一種の娯楽と化している…中王区とて、収入源を失う様な馬鹿はしない筈だ」
「それが聞けただけで十分だ」
天国はAの言葉にそう言った
「気に掛けているんですね…この二人のこと」
「まぁな」
「では、私はこれで
次会うときは、思い出話でもしようか、空却君」
「誰がするか!!」
Aは空却の言葉を聞きながら寺の境内を出る
空却の寺を出て、通りに出ると
「オネーさん! 今暇?」
ピンク色の髪をした少年(?)がAに声を掛けた
「!!」
「アッハハ〜! オネーさんの驚いた顔、凄く綺麗だね!」
「(……飴村乱数…)」
「でも、その片方のレンズが黒い眼鏡とパンツスーツはちょっとな〜」
「何の用だ?」
「え?」
「知らない訳じゃ無いだろう」
「……フッ」
Aの言葉に飴村は口元に笑みを浮かべた
「
先刻とは比べ物にならないほどの低い声で、飴村は言った
「企む? 何の事だ?」
「惚けるのは弟の方が上手いな」
「………」
「まぁいい…俺の質問に答えろ」
「何を企んでいるか、か?」
「ああ」
「聞くが、何故私が何か企んでいると思う?」
「当然だ…ディビジョンラップバトルのあの日、お前が勘解由小路無花果に言っていた…『窮鼠猫を噛む』あれは…」
「口振りからして、その言葉の意味は、知っているようだな」
飴村の言葉を遮り、Aは言った
「当然だ」
「だが、それだけで私が、何かを企んでいると思う理由にはならないんじゃないのか?」
「否、あの女共の革命に
「…フッ 手を貸していた、か……」
「?」
「そうだな
だが、だからこそ、私はこの世界を変えるために動かなくてはならない…
自らの過ちは、自らの手でカタを着けなければならないのだから…」
Aはそう言って煙草を咥え火を着けると、飴村の横に立つ
「人生の先輩として、一つ助言するが…
『いずれ裏切る予定の相手と、馴れ合うのも程々にしておけ』」
そう言うと、Aは足を踏み出す
「!?」
その言葉に飴村は目を見開いた
そして、Aが歩いて言った方を見る
だがそこに、Aの姿は見えなかった
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和南(プロフ) - 最初のプロフィールの所の紹介欄で佐馬刻ではなく左馬刻ですよ (2020年9月8日 18時) (レス) id: adb4b6099f (このIDを非表示/違反報告)
朱鷺の砂(プロフ) - 猫苺さん» ありがとうございます!! (2020年5月1日 9時) (レス) id: 8ffe6e82ed (このIDを非表示/違反報告)
猫苺 - 30票にした達成感、、、。更新頑張って下さい!! (2020年5月1日 5時) (レス) id: 7adddb7655 (このIDを非表示/違反報告)
朱鷺の砂 - 莉那さん» あ…すぐに直します 教えて頂きありがとうございます (2020年3月5日 22時) (レス) id: 8ffe6e82ed (このIDを非表示/違反報告)
莉那(プロフ) - 入間さんの漢字 銃『兎』ですよ〜 (2020年3月3日 21時) (レス) id: b2b56d90f1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:朱鷺の砂 | 作成日時:2019年11月4日 0時