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Track27 ページ31

「………」

沈黙が続いた

「それは、私には理解出来ない事だ」

Aは言った

「中王区の企みについて、私も現状を詳しくは把握していない
ただ言えるのは、当分、貴方達に中王区側が危害を加えないという事だけ…」

「そうか…」

「ディビジョンラップバトルは、中王区では、一種の娯楽と化している…中王区とて、収入源を失う様な馬鹿はしない筈だ」

「それが聞けただけで十分だ」

天国はAの言葉にそう言った

「気に掛けているんですね…この二人のこと」

「まぁな」

「では、私はこれで
次会うときは、思い出話でもしようか、空却君」

「誰がするか!!」

Aは空却の言葉を聞きながら寺の境内を出る





空却の寺を出て、通りに出ると

「オネーさん! 今暇?」

ピンク色の髪をした少年(?)がAに声を掛けた

「!!」

「アッハハ〜! オネーさんの驚いた顔、凄く綺麗だね!」

「(……飴村乱数…)」

「でも、その片方のレンズが黒い眼鏡とパンツスーツはちょっとな〜」

「何の用だ?」

「え?」

「知らない訳じゃ無いだろう」

「……フッ」

Aの言葉に飴村は口元に笑みを浮かべた

黒葛(つづら)A…何を企んでいる?」

先刻とは比べ物にならないほどの低い声で、飴村は言った

「企む? 何の事だ?」

「惚けるのは弟の方が上手いな」

「………」

「まぁいい…俺の質問に答えろ」

「何を企んでいるか、か?」

「ああ」

「聞くが、何故私が何か企んでいると思う?」

「当然だ…ディビジョンラップバトルのあの日、お前が勘解由小路無花果に言っていた…『窮鼠猫を噛む』あれは…」

「口振りからして、その言葉の意味は、知っているようだな」

飴村の言葉を遮り、Aは言った

「当然だ」

「だが、それだけで私が、何かを企んでいると思う理由にはならないんじゃないのか?」

「否、あの女共の革命に手を貸していた(・・・・・・・)奴が、かつての仲間に言う言葉じゃない」

「…フッ 手を貸していた、か……」

「?」

「そうだな
だが、だからこそ、私はこの世界を変えるために動かなくてはならない…
自らの過ちは、自らの手でカタを着けなければならないのだから…」

Aはそう言って煙草を咥え火を着けると、飴村の横に立つ

「人生の先輩として、一つ助言するが…
『いずれ裏切る予定の相手と、馴れ合うのも程々にしておけ』」

そう言うと、Aは足を踏み出す

「!?」

その言葉に飴村は目を見開いた

そして、Aが歩いて言った方を見る

だがそこに、Aの姿は見えなかった

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和南(プロフ) - 最初のプロフィールの所の紹介欄で佐馬刻ではなく左馬刻ですよ (2020年9月8日 18時) (レス) id: adb4b6099f (このIDを非表示/違反報告)
朱鷺の砂(プロフ) - 猫苺さん» ありがとうございます!! (2020年5月1日 9時) (レス) id: 8ffe6e82ed (このIDを非表示/違反報告)
猫苺 - 30票にした達成感、、、。更新頑張って下さい!! (2020年5月1日 5時) (レス) id: 7adddb7655 (このIDを非表示/違反報告)
朱鷺の砂 - 莉那さん» あ…すぐに直します 教えて頂きありがとうございます (2020年3月5日 22時) (レス) id: 8ffe6e82ed (このIDを非表示/違反報告)
莉那(プロフ) - 入間さんの漢字 銃『兎』ですよ〜 (2020年3月3日 21時) (レス) id: b2b56d90f1 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:朱鷺の砂 | 作成日時:2019年11月4日 0時

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