【ヒプノシスマイク】 ＭＴＣのまとめ役には姉がいる

Track20 ページ24

「…肝に銘じておきます」

「皮肉かい？
…それと、僕に気を取られ過ぎているようでは、戦場に出ても役立たずで終わってしまうよ」

露路がそう言い終わると同時に、一郎達はヒプノシスマイクを起動し、反撃を開始した



瞬く間に男達は気を失った

「後は、警察の仕事だな」

露路はそう言うと、

「事情聴取とかあるだろうから、嘘とか付くんじゃないぞ〜」

一郎達にそう声を掛け、部屋を出ていった

否、出ようとした

「事情聴取なら、アンタもだろ？」

一郎のその言葉に、露路は歩みを止めた

「……否、君達に任せるよ」

「いえ、そういう訳には行かないと思いますよ」

露路に三郎は言う

「僕はね、警察にお世話になる訳にはいかないんだ………」

ｰｰｰｰｰすべてが終わるまではね

露路はそう言うと、部屋を出た






「すべてが終わるまでは…？」

「どういう意味なんですかね…一兄」

「さあ、な」

各々が疑問を抱える中、パトカーのサイレンが近付いてきた





露路は車に戻ると、

「さて…僕の教え子を利用したんだから……高くつくよ、オトメちゃん(・・・・・・)」

そう呟いて、車を発進させた









「逃げられましたか…」

電話を耳に当て、東方天は言った

「……結構です
深追いをして、返り討ちに合っては元も子もないですから…」

『分かりました』

「ですが、ここまでは作戦通りです
次の手は、既に打ってありますしね……」

『…………』

「手筈通りにお願いしますよ」

『はい』

東方天は、耳から電話を離した

「すべて、手筈通りに事は進んでいます…
一体、何時まで抗い続けるおつもりなんですか? 貴方達は…」

そう言った東方天の眼下には、中王区の街並みが広がっている









「…Je vois(成程)」

『Que faisons-nous maintenant…(今の私達には、どうする事も…)』

「Si vous dēmēnagez de force,cette mesure peut ētre mauvaise(無理に動けば、こちらの策がバレかねない)」

『Je sais que,bien sūr…(それは勿論承知していますが…)』

「Reconstruire…C'est la meilleure chose que je puisse faire maintenant (体勢を立て直す…それが今出来る最善策だ)」

『Je comprends(分かりました)』

「Si quelque ghose arrive,je ferai un rapport ā nouveau(何かあったら、また報告を)」

『Ok(了解)』


薄暗い部屋で、Aは目の前に広げたチェスの駒の一つを動かす

敵の陣地へと進めていた砦(ルーク)の駒を、自身の陣地の方へと後退させた

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