【ヒプノシスマイク】 ＭＴＣのまとめ役には姉がいる

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テリトリーバトル当日

Aは帽子を目深に被り、中王区の門をくぐった

そして、テリトリーバトルの行われる会場に向かった



会場に入ると、まず聞こえたのは女達の黄色い歓声

「(五月蠅い…ただ司会者が話しているだけだろう…)」

Aは嫌悪にも近い呆れを胸の内に留め、ステージを眺める

「…すみません、お隣いいですか？」

そう言って一人の女がAの隣に来た

「ええ…」

「…久し振りだね、Aちゃん」

そう言った女もまた、目深に帽子を被っている

「司…」

「思った以上の観客で会いに来ちゃった」

そう言って僅かに帽子の鍔を上げた女の顔は、山田二郎の担任の露路だった

「別にそれは構わないが…」

二人の会話は、周りの歓声に掻き消される

皆、ステージに釘付けだ

誰も二人の会話に等興味は持たないし、聞こうともしない

「楽しみだなぁ…僕の教え子(・・・)の成長」

「それより、用があるって言ってなかった？」

「ああ…それは」

自然な流れで露路は隣に座る

そして、煙草を渡した

「！」

「禁煙中だからあげる」

「…ありがと」

「そろそろ、始まるね じゃあね、Aちゃん」

露路はそう言うと、立ち上がり人混みの中に紛れて行った

「……」

露路の姿が見えなくなると、Aは受け取った煙草を開けた

中には煙草が数本と、USBメモリ(・・・・・・)が入っていた

Aが煙草を胸ポケットにしまうと、丁度、『Buster Bros!!!』対『MAD TRIGGER CREW』のバトルが始まった









勝者は『MAD TRIGGER CREW』

「(山田一郎と左馬刻君はほぼ互角か…あの弟達は、経験の差ってところか)」

Aはステージに立つ彼等を見る

「(彼等ならきっと……)」

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