【ヒプノシスマイク】 ＭＴＣのまとめ役には姉がいる

Track9 ページ13

テリトリーバトル前日

銃兎達出場者は前日から中王区入りをしなければならない

「……」

一人になった部屋で、Aはソファーに座り、本を読んでいた

「(暇だな…)」

本を閉じると、Aは立ち上がり、外に出た



外に出ると、行く当てもなく、ただ街を歩いた

「あれっ…A！？」

すると、背後から声を掛けられた

「？｝

声の方を向くと、そこには五十代位の男とAと同じ位の歳の男が居た

「久し振りだな」

「そう…ですね 孝瀬(こうらい)さん」

Aは五十代位の男(孝瀬)の言葉にそう言った

「…銃兎君も元気そうだな」

「ええ…そちらも、お元気そうで…」

そう言ったAの瞳は真っ直ぐと彼等を射抜いていた

「検察官を辞めて、今は何をしているんだ？」

「……何故、貴方がそのことを知っているんですか？」

「おいおい…従兄(・・)に対して敬語はねぇだろ」

「……瑠偉(るい)…私はこれから用事がある 悪いが、これで失礼する」

Aがそう言って彼等に背を向けると

「あの方(・・・)からの伝言がある」

孝瀬がそう言った

「伝言…？」

その言葉にAは彼等の方をまた向いた

「『これまでの蟠り(わだかまり)を水に流しましょう』…だそうだ」

「は？」

「悪い話じゃねぇだろ？ お前だって、犬死には御免だろうしな」

Aは拳を握りしめた

「…水に流してもいい問題じゃない」

そして、そう呟いた

「…お前がバカな選択をしないことを祈っている」

孝瀬はそう言うと、瑠偉を連れ、人混みの中へと消えて行った

「……ｯ」

Aは苛立ちに駆られるまま、親指の爪を噛んだ

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