【名探偵コナン】烏とダイヤモンド〈2〉

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「お前を呼んだのは、予想外の事が起きたからだ」

エレベーターが動き出すと、長官は口を開いた

「予想外の事？ 珍しいですね 長官がそのように言うのは」

「お前にとっても予想外の筈だ」

「……と言うと？」

「『battlecry(バトルクライ)』・『ディスピア』のトップ、ジョセフ・アンダーソンが投降した
投降と言うよりは、自首の方が正しいがな」

「！？」

長官の言葉に小鳥遊は目を見開いた

すると、エレベーターの扉が開く

「奴は、目的については一番最初に話したい相手がいると言って聞かないんだ」

エレベーターを降り、通路を歩きながら長官は言う

「何ですか？ それ」

「さあな
だが、奴はお前をご指名だ」

「どういうことですか？」

「私にも分からん」

長官はそう言うと、とある扉を開けた
　
そこは監視室だ

無数のモニターが並ぶ

それらは様々な角度から1人の男を映し出している

「様子は？」

「依然として、口を割りません」

長官に監視をしていた局員がそう言った

「そうか」

そう返した長官は、横目に小鳥遊を見た

小鳥遊は監視室にいた別の局員に何かを話していた

「ｰｰｰｰｰ取り敢えず、話とやらを聞いてみましょうか」





向かい合うように置かれた椅子に小鳥遊は座った

向い側の椅子には既に男が座っている

「ｰｰｰｰｰ私に何か用？
『battlecry(バトルクライ)』・『ディスピア』リーダー、ジョセフ・アンダーソン」

「まずは、呼び出した無礼をお赦しください Ms.ダルシアク」

「想像より紳士だな」

「私をあんな野蛮な連中と一緒にしないでください」

心底嫌そうにジョセフはそう言った

「それは置いておいて、単刀直入に言います
Ms.ダルシアク “日本でのテロを止めてください”」

「は？」

想定外の言葉に小鳥遊は呆然とした

「フフッ 貴女でもそんな顔するんですね」

笑みを溢してジョセフは続ける

「他の方に言えば、嘘だと決め付けられてしまい、時間を無駄にする…そうなれば本末転倒です
だから、相手の嘘を見抜く事に長けた貴女に真っ先に話したかった」

「……殊勝だな」

「フフ…『battlecry(バトルクライ)』とは、私の父が創り出した組織です
設立当時の活動理念こそが、武力による改革でした
『ヴァルドラ』は、その理念を引き継いでいる」

「だが、お前の父は確か…」

「ええ 10年前に殺されました
父のテロによって全てを失った者の復讐によって」

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