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第二十八の怪 栞の思い出 【16時の書庫編】 ページ33

土籠side

「先生!さようなら〜」

「あ、はい、さようなら。」

オドオドとしている姿を見て、生徒達は今日も家路へ。

さて、俺も住処に帰るか…

ドサ

「あ、しまった片付けるの忘れてた。」

土籠の懐から出て来たのは、一冊の黒い本。

この本の持ち主はAの父親にして、変人。

だが、柚木の事を引き摺っていた俺に光を与えた人物。

桔梗だ。

〜三十数年前〜

「先生、あんたは人間じゃないだろ?」


なんだこのガキと当時の俺は思った。


「いやどう見ても人間だろ?(姿は)
なんだお前には俺が何かに見えるのか?」


自慢じゃないが、俺は気配を隠すのはうまい方だと思う。

じゃなきゃ、何十年も教師を続けることなんて芸当は出来やしないだろう。


「うん、確かに見た目は人だ!
けど、空気?雰囲気って言うのかな?
それが普通の人とは全然違う。」

あいつの言葉に俺は目を見開いた。


祓い屋ならともかく、こいつは普通の人間だ。


「そうだと言ったらお前はどうする?俺を払うか?」

「まさか、そんな勿体ない事するわけないじゃん。俺、そういう話をするの好きでさ。
丁度、話し相手欲しかったんだよね。
ヾ(@⌒ー⌒@)」


それからと言うもの、矢継早にあいつは俺に質問攻めしてきた。


俺も俺で、あいつとの会話が楽しくて、ついつい余計な事もしゃべってしまった。


この学校が、異界に通じる7つの出入り口であるという事。


七不思議の事、そして、運命を変えたある1人の少年のことを…。


その話をした時、あいつはなんだか寂しそうな表情を浮かべていた。


今になって思えば、それが1番あいつが知りたかったことだったのかもしれない。


今のAのように。


そして卒業の日が近づいてきた頃俺はあいつにあるものをもらった。


こぼれ落ちた黒い本を拾おうとした時ページの隙間からから栞が溢れ落ちた。


「ハハ、この栞も随分とくたびれたな。」


この紫の押し花が施された栞は、アイツが卒業式の日に友情の証とか何とか言って押し付けた代物だ。


「にしても、大の大人に贈る品物が押花とかアイツも随分と女々しいな。」


まあ、俺がよく本を読むから栞を寄越したんだろうがな。


「にしても、何でアイツの本に挟まって…「やあ、土籠!」ハァー何の様ですか七番様?」

「嫌だなぁ〜会議だよ!忘れちゃったの?」


あー、そう言えばそんな事言ってたな。


「ハァ、分かりました。行きましょうか…」


こうして俺は、住処への向かった。


その時、俺は気づかなかった。


アイツの本と栞が僅かに光を放っている事に。

第二十九の怪 チーム伍番【16時の書庫編】→←第二十七の怪 懐かしい香り【16時の書庫編】


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設定タグ:地縛少年花子くん , 土籠 , 柚木普   
作品ジャンル:アニメ
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空夜☆時音(プロフ) - 嗚呼さん» ありがとうございます!気に入っていただけて嬉しいです! (2020年2月28日 18時) (レス) id: b7a01024a7 (このIDを非表示/違反報告)
嗚呼 - オリジナル面白いです! (2020年2月28日 18時) (レス) id: 5faa0d3c7f (このIDを非表示/違反報告)
空夜☆時音(プロフ) - こっちんさん» ご指摘ありがとうございます!修正しました! (2020年2月26日 21時) (レス) id: b7a01024a7 (このIDを非表示/違反報告)
こっちん - 登場人物設定の四十・四十一の怪に出てくる名前の星蘭が"優姫"になっていますが?? (2020年2月26日 21時) (レス) id: e1802d5515 (このIDを非表示/違反報告)
こっちん - 夢主と花子くんとつかさくんの3人が出てくる場面が楽しみです!!3人の反応がどんな風になるのかワクワクします!! (2020年2月25日 19時) (レス) id: e1802d5515 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:空夜☆時音 | 作成日時:2020年2月16日 23時

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