第二十四の怪 土籠の葛藤【告白の木&16時の書庫編】 ページ29
という訳でやって来たのは、毎度お馴染み16時の書庫!
此処には生者と死者の全ての記録がある。
けど、煩わしいのは名前が分からないと意味がないって事…
更に花子くんの生前の名前を知っているであろう土籠先生は居ないし…
『ふぅー、少し休憩しよう。』
私は書庫の片隅にある椅子に座り、ゆっくりと目を閉じた。
⭐
『スースーウンン、待っててね、絶対…見つける…スースー』
「たく、戻ってみれば、このガキは…オラ、起きろ風邪引くぞ。」
口ではそう言いながらも、土籠は自分の上着を眠っているAにかける。
「…だいぶ、大人びたな。
其れもそうか…もう少しすればコイツも卒業だからな。」
Aの頬を撫でるその姿は何故か切ない。
怪異である土籠はこんな事は慣れている。
「慣れて…来た筈だったんだがな。」
最近…特に花子とAが出会ってからは何かが変わって来ている。
その証拠が先日の二番の件だ。
「A、こんな小さい体で…本当にお前は凄いな。」
人は未来のために突き進んで行く。
未来を断ち、運命を変えてしまった花子…いや、柚木とある意味、正しい運命に導こうとしているA。
案外、お似合いなのかもしれねぇな。
ズキ
「チッ、何を考えてんだ…オレは、ガキにこんな感情を抱くなんて…」
忘れるな、俺は怪異…Aは人間。
しかも、彼女の孫だ。
アイツらの宝だ。
だが…俺は惚れた女をそう簡単に手放せるのか?
「A、俺は…許されない事をしている。
だが、どうか、お前がこの世にいる間はどうか許してくれ。」
土籠は全ての腕を使いながら彼女を優しく抱き上げ、額に口づけを落す。
其れが、俺に出来るせめてもの…感情を表現できる手段だから。
すると、Aは彼の腕の中でモゾモゾと動いたかと思うと彼の胸板に頬擦りをし。
『エヘヘおじいちゃん、大好きだよ。スースー』
な、このお転婆娘!こっちの気もしらねぇで…
「なぁ、桔梗、すまん…俺…近い内に、理性、吹っ飛ぶかもしれねぇわ。」
亡き同僚に俺は殆ど謝罪と懇願に近い言葉を呟いていた。
第二十五の怪 純黒 【告白の木&16時の書庫編】→←第二十三の怪 年相応の君は【告白の木&16時の書庫編】
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空夜☆時音(プロフ) - 嗚呼さん» ありがとうございます!気に入っていただけて嬉しいです! (2020年2月28日 18時) (レス) id: b7a01024a7 (このIDを非表示/違反報告)
嗚呼 - オリジナル面白いです! (2020年2月28日 18時) (レス) id: 5faa0d3c7f (このIDを非表示/違反報告)
空夜☆時音(プロフ) - こっちんさん» ご指摘ありがとうございます!修正しました! (2020年2月26日 21時) (レス) id: b7a01024a7 (このIDを非表示/違反報告)
こっちん - 登場人物設定の四十・四十一の怪に出てくる名前の星蘭が"優姫"になっていますが?? (2020年2月26日 21時) (レス) id: e1802d5515 (このIDを非表示/違反報告)
こっちん - 夢主と花子くんとつかさくんの3人が出てくる場面が楽しみです!!3人の反応がどんな風になるのかワクワクします!! (2020年2月25日 19時) (レス) id: e1802d5515 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:空夜☆時音 | 作成日時:2020年2月16日 23時