30:貴方の前職は__ ページ31
芥川さんの視線が何処か悲しそうだった。
「...ッ、零細探偵社ごときが!我らはこの町の暗部そのもの!」
樋口さんが口を開いた。
「傘下の団体企業は数十を数え、この町の政治・経済の悉くに根を張る!」
樋口さんは口で攻め続ける。
勿論、そんなの私は聞く気が無いですけど
「たかだか十数人の探偵社ごとき__三日と待たずに事務所ごと灰と消える!我らに逆らって生き残った者などいないのだぞ!」
太宰さんは頭に手を当てた。
「知ってるよ、その位」
「然り、外の誰より貴方はそれを悉知している」
芥川さんは少し間を開けて云った。
「__元マフィアの太宰さん」
やっぱり...太宰さんの前職は...
『マフィア...でしたか......』
「おや、君は分かっていたのかい?」
『...任務の時、何度か貴方を見ましたから』
「そう、じゃあ隠さなくてもいいね」
私は芥川さん達に視線を逸らした。
『用が済んだのなら帰って頂けますか?』
私の瞳が赤く輝く。
それを見た芥川さんは静かに帰っていった。
芥川さんの後ろに、樋口さんは早足で付いていった。
私は二人が帰ったことを確認すると、力が抜けていった。
それを太宰さんが受け止めてくれた。
「君、日光が苦手なのかな?」
『なんで、そう思いますか?』
「なんとなくさ。でも、苦手なんだね?」
『はい...でも、歩けますから...平気です』
私は足に力を入れ、立ち上がる。
ふらふらとする視界の中、私は探偵社へ戻った。
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時姫(プロフ) - 黒樹ユリ かさくん親衛隊さん» 返信が遅れてしまい、申し訳ありません。 そして、コメントありがとうございます。もしよろしければ、 リクエストの方で何かありますか? 教えていただければ嬉しいです。 (2017年8月23日 19時) (レス) id: f26110437a (このIDを非表示/違反報告)
黒樹ユリ かさくん親衛隊 - 敦君可愛いし天使!!!! (2017年7月19日 17時) (レス) id: 6e14238389 (このIDを非表示/違反報告)
時姫(プロフ) - 月雪桜さん» はい。応援ありがとうございます。 これからも頑張ります。 (2017年5月24日 16時) (レス) id: f26110437a (このIDを非表示/違反報告)
月雪桜(プロフ) - とても面白いです。これからどうなるのかが気になります。頑張って下さい^_^ (2017年5月23日 22時) (レス) id: b41419936b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:時姫 | 作成日時:2017年5月17日 18時