16:お兄さんは、自分より人を優先しますね ページ17
『これで爆弾も大丈夫ですかね？』
私は足元のリモコンを見て云った。
お兄さんは太宰さんにガッツポーズを向けられ、ふらっと太宰さんの方へ向かう。
そこでお兄さんは'誰か'に押されて倒れた。
「ぶッ！！(ﾋﾟｯ」
お兄さんは機械音を奇妙に思い、自分の手元を見た。
そこには爆弾のリモコンが。
「あ」
「「あ」」
爆弾に数字が映し出された。
「ああああああッ？？！」
「爆弾！爆弾！あと5秒？！」
その場に居た人達、全員の顔が変わった。
安堵の顔から......絶望と恐怖の混じった顔へ。
お兄さんは一度起き上がった。
そして、その後に起こした行動は......
「なっ」
お兄さんは自分の体を爆弾に被せた。
『お兄さん！』
私は走った。お兄さんの元へ。
自分の能力のお蔭で、私は一瞬でお兄さんに近付けた。
私は爆弾を見た。
数字は2。もう間に合わない。
私は意を決して、爆弾の側で座った。
お兄さんのことを......一人になんかさせませんから
「莫迦！」
最後の2秒間が永遠のように長く感じた。
ﾋﾟｯ ﾋﾟｯと響く電子音を聞きながら私は目を閉じた。
・
・
『な〜んて......私は死ぬ気は無いんですよ』
私の言葉の後、お兄さんは私達を見た。
「やれやれ......莫迦とは思っていたがこれほどとは」
「自 殺愛好家の才能があるね彼は」
「へ？......え？」
お兄さんはﾎﾟｶﾝとしていた。
「ああーん兄様ぁ！大丈夫でしたかぁぁ？！」
「痛だっ？！(ｺﾞｷｯ」
今、変な音が聞こえましたね
「いい、痛い。痛いよナオミ。折れる折れるって云うか折れたァ！」
「......へ？」
お兄さんは現状を理解していなかった。
「小僧。恨むなら太宰を恨め。若しくは仕事斡旋人の選定を間違えた己を恨め」
「そう云うことだよ、敦君。つまりこれは一種の＿＿入社試験だね」
「入社.........試験？」
「その通りだ」
強く響く声、私は声の主を見た。
武装探偵社 社長 福沢諭吉＿＿能力名'人上人不造'
「そこの太宰めが「有能な若者が居る」と云うゆえ、その魂の真贋、試させて貰った」
「君を社員に推薦したのだけど如何せん君は区の災害指定猛獣だ。保護すべきか社内でも揉めてね」
『それで、社長の一声でこうなったんですね』
「で社長......結果は？」
社長さんはお兄さんと私を見た。そして目を閉じ、こう云った。
「太宰に一任する」
「合格だってさ」
「ﾊｯ)つまり...？僕達に斡旋する仕事っていうのは此処の......？」
太宰さんは微笑んだ。
「ｸｽ)武装探偵社へようこそ」
お兄さんはただ立ち尽くしていた。
17:私達に選択肢はありませんね→←15:これが'探偵社'ですか
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時姫(プロフ) - 黒樹ユリ かさくん親衛隊さん» 返信が遅れてしまい、申し訳ありません。 そして、コメントありがとうございます。もしよろしければ、 リクエストの方で何かありますか？ 教えていただければ嬉しいです。 (2017年8月23日 19時) (
レス) id: f26110437a (このIDを非表示/違反報告)
黒樹ユリ かさくん親衛隊 - 敦君可愛いし天使！！！！ (2017年7月19日 17時) (レス) id: 6e14238389 (このIDを非表示/違反報告)
時姫(プロフ) - 月雪桜さん» はい。応援ありがとうございます。 これからも頑張ります。 (2017年5月24日 16時) (レス) id: f26110437a (このIDを非表示/違反報告)
月雪桜(プロフ) - とても面白いです。これからどうなるのかが気になります。頑張って下さい^_^ (2017年5月23日 22時) (レス) id: b41419936b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：時姫 | 作成日時：2017年5月17日 18時
