【男主】ぼくをみて【調味料】

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こんな素敵な方に乾麺を渡すのも躊躇われたが渡さないなんてもっての外だ。


｢ありがとう、A君も敬語じゃなくていいよ？｣


｢え、いや、でも……｣


｢隣なんだから気遣わないで、仲良くなりたいし。ね？｣


お兄さんがいった"仲良くなる"という言葉が甘美なものにしか聞こえなくて思わず頷いてしまった。


｢ぼ、ぼくもお兄さんと仲良くなりたい……｣


言葉にすると案外照れてしまうものだ。

そう言っておそらく少し赤らんでしまったであろう顔を少し俯かせた。




…いやいやいや、うつむいてたらだめだ！

しゃんとするって心に決めたばっかりじゃん！！

シャキッとしろ！！


｢っということなので……………ぇ、お、お兄さん？｣


勢い良く顔を上げると口を押さえながらプルプルと小刻みに震えているお兄さんの姿。


もしかして怒らせちゃったのかなぁ…


｢…っ、大丈夫、俺怒ってないから…。…‥‥ふぅ、A君もう暗くなってきたから帰りな？｣


お兄さんの中で何かのひと段落がついたのかさっきまでの調子に戻った。

なんか、変っていうか不思議な人だな。


｢うん、お兄さん、ありがとうございました。」


そういって身体を４５度に曲げ礼をして小走りで家へ戻った。



￣￣￣￣
お兄さんスイッチを押してしまったA君

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