中〜夢主ちゃん、海に行く〜7 ページ5
「お待たせぇ……」
「遅いぞ、何があっ……た……。」
「それが…、ビキニの付け方がよくわからなくて…、これで合ってるのよね？…着替えるだけで、もう疲れたぁ…。
うぅ、スースーして気持ち悪いしさぁ。……ん？長義？」
彼は黙って目を逸らして手を頭まで持っていくが、いつものフードを被ってないために彼の手が頭で空振っていた。
恥ずかしいのか頬を赤らめて、取っていたフードを被って顔を背けたのだ。
もしや…
この私のナイスバディの体(とはいっても胸と尻は特にほどでかくないけども)に見惚れたか！！
まあ、形は整ってるから！
身長もそれなりにあるし！
たぷたぷな部分があんまりなくて女性的な魅了ないけど！
ついに私を馬鹿だの阿呆だの不細工だのの言葉を撤回する日が来たんだな！
そう高笑いしそうな衝動を抑えて彼の言葉を待った。
＿が、
「破廉恥か」
「は？」
「その格好はあれか？男に襲われた後の格好か？」
冗談とは到底思えない顔でそんなことを口にした。
頭で何回も着替え方を振り返ったが特に間違いはなかった……はずだ。
「…いやいや、もともとこんな感じなんだけど！？
え！？ええっと、ビキニってこんな感じだよね！？」
「何を言っている。そこの腰に巻いてるのは服が破れた後だろう？」
「いや、これはパレオっていうんじゃなかったっけ？セットで付いてたから試しに付けただけなのに…！
くそぉ…付け方を間違え＿ってぇ？！
長義！もう、周りの女の人もほとんど同じ格好してるじゃない！！
驚かさないでよ！」
周りの女性の格好を指さして怒る。
焦って周りを見ればみんな私と同じような格好だ。
……中にはビキニとは到底思いたくない布の面積が少なすぎある意味怖い人がいて、二度見してしまった。
あ、ああいうのもあるのか。
ちょっとドン引きする。
それはさておき、
私を一瞬奈落の底へ突き落とした彼に文句を言うが、彼は全く聞く耳を持たない。
「…他の女とお前は違うだろ」
「まあ、どこぞの融合体じゃあるまいし、
それぞれ別個の体にそれぞれ違う精神を持ってるしね」
かつて戦ったことのある人間とはいい難いそんな奴らを思い浮かべながらうんうんと私は頷く。
ふと長義の方に目をやると神妙な顔をして私を凝視している。
「な、なにごと？」
「…すまないが、お前が何を言ってるのか全く理解できない」
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作者名：沙恵燬 | 作成日時：2019年11月25日 2時
