[映画編] サブマリン。 (ページ8)

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「まぁ、君には到底及ばないだろうけど、俺だって研究者の端くれだったからな。君の論文の凄さが理解できる程度の頭は持っているつもりだよ」

「A、怒ってもいいんだぜ」

「分かるだろ、ジン。俺にあのレベルの論文が書けないのは事実だ」

「…てめぇはあの頃からこいつの研究をベタ褒めしてやがったからな」

呆れるように呟かれたジンの言葉に、懐かしい学生時代のことを思い出す。

目の前にいる青年が書いたのだという、あまりに画期的だったその論文。
読んでいる間は始終感心させられっぱなしで、読了後も興奮が覚めやらず、確か、翌日には大学近くのカフェに呼び出したジンを相手に、その魅力と素晴らしさを熱く語ったのだったか。

ジンがまだ身分を隠して俺と関係を持っていた頃の出来事だから、随分と前の話にはなるけれど、彼が今も忘れずに覚えていてくれたことは、正直嬉しかった。

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