[映画編] サブマリン。 (ページ4)

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「とりあえず、やれるだけの事はやる。相当スパルタになると思うけど」

「弱音を吐いたり、言うことを聞かなくて困ることがあったら放り出せ。そのせいで間に合わなくなっても自己責任だ」

「…いや、そんな凄い人に採用落ちの不名誉は着せられないから、頑張るよ」

首を振って意気込んだ俺に、そうかとだけ答えてジンが携帯を開く。もしかして、今からここにそのエンジニアが来てくれるのだろうか。

一応はただの構成員と幹部ということになるから、組織内での立場は俺の方が上だ。けれど、同じ畑の人間としては、技術も研究力も確実に相手の方が高い。
そんな凄い人に会えるのだから、自然と俺の胸は高鳴っていた。

しばらくして、携帯をポケットにしまい直したジンが煙草を咥えながら、思い出したように呟く。

「ああ、ひとつ言い忘れた。奴は俺のことが大の嫌いだから、気をつけろよ」

「え？」

「ほぼ確定していた幹部昇格が急遽条件つきになったのは、俺が余計なことを言ったせいらしい。まァ、半分はてめぇのせいでもあるから諦めろ」

「…………えっ、待て待て待て待て」

とんでもない爆弾を落としながら満足気に紫煙を吐くジンに、俺が慌てて詳しい事情を聞こうとしたのと、殴っているんじゃないかと思うくらい乱暴に部屋の扉が叩かれたのは、残念ながらほとんど同時のことだった。