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「残念だったなァ、ガキ。データがない以上、てめぇは有罪も無罪も確定しねぇよ」

「テメェ…全部分かってて仕組みやがったな!!!」

「ハッ、どうだろうな」


短く言い捨ててガキに背を向け、吸いかけの煙草を灰皿に押し付けて席を立つ。そろそろ、ウォッカが店の前まで迎えに来ている頃だ。


俺の誘導が故意であれ偶然であれ、ガキがまんまと嵌った事実は変わりない。
無駄に噛み付いてこなければ、わざわざ嵌めるような面倒はせずに過去の論文のことも黙っておいてやったものを。喧嘩を打ってきたのはガキの方だ。


勿論、ラムやあの方は鋭いから、全ては俺の仕組んだ計算だと見抜くだろう。それでも、その心に僅かな疑念が残るなら、それでいい。

何より重要なのは、やり取りを聞いていた奴らが何を真実だと思ったか。組織全体の論調はどちらに傾くか。それだけだった。

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作者名:櫂渦【とーか】 | 作者ホームページ:https://www.pixiv.net/users/28997649  
作成日時:2023年12月8日 22時

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