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22. ページ22

こうなってしまえば、もう私が口を挟める余地はない。目の前の獲物をどう嬲ってやろうかと思考を巡らせている獰猛な獣の前には、余計な手も口も出さぬが吉だ。ジンの目には今、私の姿など写ってもいない。

何もせずとも、ご機嫌に舌なめずりをしている獣の眼にはしっかりと理性が残っているようだから、庇ってやらなくても青年が殺されることはないだろう。

蚊帳の外になってしまった私は、せいぜい傍観者らしく二人の決着を見守ってやろうと思って、未だどこか怯えの残っているバーテンにジンのキープボトルから酒を注いでくれるよう要求したのだった。

23. 証拠は捨てられた。→←21.



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作者名:櫂渦【とーか】 | 作者ホームページ:https://www.pixiv.net/users/28997649  
作成日時:2023年12月8日 22時

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