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「期限は二週間。教え方は問わねぇが、現地に連れていくのはナシだ。奴には日本で開発させていたシステムの引き継ぎをさせる必要がある」
「嘘だろ、幾ら何でも短すぎる。流石に無茶だ」
「無茶でもやらせろ、採用試験は二十日後だ。幹部昇格を餌にラムが釣ったくらいだから、向上心は高い」
「まだ幹部ですらないのに、インターポールに潜入させるのか?」
「元々候補には上がってた奴だが、研究開発メインでこれまでずっと裏方仕事だったからな。色々あって、インターポール採用が幹部昇格の条件になった」
なんだ、その凄すぎる条件は。インターポールに採用されるくらいなら、組織なんか辞めて寝返ってしまえばいいのに。
基本、任務で名を呼び合う必要性の高い実働部隊から優先的にコードネームを与えられる傾向の強いこの組織で、研究者ながら候補に上がっていたということは、唯一無二の技術と頭脳を持っていて、名を与えてでも組織に縛り付けたいとあの方が考える程の天才ということになる。
つまり、頭の良さはシェリーと同等かそれ以上。
そんな人物ならば、確かに短期間でフランス語をマスターすることも不可能では無いのかもしれない。
とはいえ、現研究の引き継ぎを行いながらフランス語も覚え、同時にインターポール採用試験にも備えるなどという鬼のスケジュールが無茶であるという事実に変わりはないのだが。
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作者名:櫂渦【とーか】 | 作者ホームページ:https://www.pixiv.net/users/28997649
作成日時:2023年12月8日 22時