[映画編] サブマリン。 (ページ16)

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「ハァイ、ジン。今日はpuppyは一緒じゃないのね」

「…何の用だ、ベルモット」

「新しい幹部候補の顔見せよ。次の任務は何時から？」

「直にウォッカが迎えに来る」

「じゃあ、それまでは暇なのね。なら、せっかくだからこの子とちゃんと顔合わせしときなさい」

「チッ」

心底面倒くさいと言わんばかりの表情で、それでも顔合わせと言われて一応は顔を上げたジンが、値踏みするようにジロリと横目で青年を睨め付ける。

「…ただのガキだな、名前は？」

手に持ったグラスを傾けながら、ぞんざいに尋ねたジン。馬鹿にしたような態度は別に、この男にとってはただの平常運転だから、気にするほどのことでもない。

寧ろ、名前を聞く程度の興味を持っただけマシな方だ。
歯牙にもかける必要のない相手だと判断した場合、この男は一瞥をくれるだけで終わらせることさえあるのだから。

だけど、青年の方はそんなことを事前に知ろうはずもない。
ジンが発した一言は、驚くほど簡単に青年の怒りの沸点を越えてしまった。