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確かに、俺は本来守られる側の、守られていたいだけの人間だった。景光や零のようにこの国を守りたいなどという崇高な志もなくて、ただ弟たちを見守りながら、安寧な世界でそれなりに幸せな生活を送ることができれば、それで十分だったのだ。
でも、それができなくなってしまった。この世にいるすべての人は、他人か、敵か、守るべき存在となってしまった。
孤立無援のその状況に耐え続けられるほど、俺の心は強くない。
守られることに慣れてしまっていた俺は、やっぱり誰かに守られていたかったのだろう。
ジンは今や、俺を守ってくれる可能性のある唯一の存在だ。ジンまで“守るべき存在”に数えてしまったら、俺はもう本当に誰の守護も得られなくなってしまう。
『思い上がるな』という言葉の意味が、ようやく正確に理解できた気がした。
「…守って、ジン。何があっても俺のことを守って、絶対に俺の味方をして。勝手に死なないで、殺されたりもしないで、俺がいいって言うまで側にい続けて。できれば怪我とか病気はしないで、したらちゃんとケアして。ケアさせて。俺を、独りにしないで」
「As you wish, my master. 随分と無茶な要求だが、いいぜ、約束してやる。てめぇの許可が下りない限り、離れずに最期まで傍にいてやる。絶対だ」
よく言えたな、と褒めるように頭の上に置かれたジンの手は変わらず優しく、温かい。
我ながら嫌になるほど一方的かつ現実的ではない願いを口にしてしまったものだという思いはあったが、後悔はしていなかった。
結局、独りにもなれず強くもなれない俺は、信念といえるほど立派でもない自分の想いを叶えるために守ってくれる、絶対的な拠り所が欲しかったのだ。
それを、宗教でも国でもなく、たった一人の生身の人間に求めてしまうことは酷く依存的で、危険な思考だとは自覚している。
でも、相手は他ならぬジンなんだからいいじゃないか。酒や煙草に依存して溺れるよりはよっぽど健康的なはずだ、なんて、そんな考えこそが不健康で歪んでいることにも気づいている。
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櫂渦【とーか】(プロフ) - チャパさん» 嬉しすぎるお言葉、ありがとうございます！！マイペース更新にも関わらず追いかけてくださっていること、本当に嬉しいです。これからもお気の向く限り、男主の人生にお付き合いいただけますと幸いです( * ･ᴗ･ ) (2023年2月26日 9時) (
レス) id: 7ff0039a36 (このIDを非表示/違反報告)
チャパ - 沢山の作品の中で作者様のジンが1番好きです。飽きやすいので見なくなる作品は多々あるのですが、ずっと飽きることなく読ませてもらってます。前々から思っていたのですがふと好きだなーという感情がわいてきたのでコメントさせていただきました。長々とすいません。 (2023年2月23日 21時) (レス) @page38 id: b567095a1b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：櫂渦【とーか】
| 作者ホームページ：https://www.pixiv.net/users/28997649
作成日時：2022年6月19日 21時
