【コナン】寝て起きたら前世の記憶思い出した。【男主】 (ページ45)

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「えっ、決まったのか！」

「ああ、卒業したらすぐにでもうちで働いてくれと言われた」

「おめでとう！よかったな、兄さん」

「ありがとう。
ただ、会社の方針っていうのかな…新入社員は寮に入るのが決まりらしい。悪いけど、景光には四月から一人暮らしをしてもらうことになる」

「…そっか、それはまた寂しくなるな」

「ごめんな、お前もこれからが大事な時期なのに、負担をかける」

「いいや、それは大丈夫。俺にはゼロもいるからな！何かあっても上手くやっていけるさ。
だから兄さんは何も心配しないで頑張ってきてくれよ、な！」

無邪気に喜んでくれる景光の笑顔が、今の俺には眩しすぎて辛かった。

嘘の就職を理由に家を出たら、俺はもう景光とは縁を切る。警察学校に通うことになる弟の存在を、組織に知られる訳にはいかない。

万が一知られてしまえば、俺の身も危うくなるだろう。

それになによりスコッチとしての潜入任務が、始まる前から失敗となってしまう。潜り込む前からNOCバレしているだなんて最悪だ。

鼻の利くジンやベルモットに弟の存在がバレてしまわぬよう、少しでも早いうちに景光との関係を絶たねばならない。

ジンはきっと、怪しいと思ったらそれが仮に自分のお気に入りのペット相手でも容赦しないだろう。

バレた時が俺の、ひいては景光の最期になるかもしれない。気を張っていかねば。

景光なら俺が居なくても大丈夫だ。
彼にはもう零がいる。

それにこの後警察学校に入れば更に三人の親友ができるのだから、頼る相手には困らないだろう。

家を出てしばらくの間は連絡が取れなくても忙しいから仕方ないのだと思ってくれるはずだ。

だが、完全に音信不通になってしまったと気づけば、きっと景光は俺を探そうとするに違いない。

せいぜい見つからないように気をつけるとしよう。