【コナン】寝て起きたら前世の記憶思い出した。【男主】 (ページ24)

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だから俺はこれまでずっと、ジンに信用してもらえるよう努力してきた。

その結果として、今俺はジンからとあるソフトの開発を依頼されている。

そしてその内容からして鑑みるに、恐らく黒の組織関連の仕事で必要なのだろう。このソフトは、一般の企業で使うには手間が多すぎて用途が限られるだろうし、その複雑性からして個人で使うには向いていない。

難解な仕組みはまるで、少し前に大学の資料で
見かけた機密情報保護用プログラムのようだった。俺が開発しているものの方が、それより遥かに複雑で、難しい手順と操作がなければ鍵が開かない仕組みだが。

これを依頼する時、ジンは俺に
「何故こんなものを作らせるか聞かないのか」
と言った。

対して俺は、
「陣さんが作ってくれというならなんでも作りますよ。たとえそれが少しくらい危ないものでも、ね」
とかなんとかそれらしいことを答えたと思う。

実際、諸々の計算を抜きにしてもジンのことは尊敬しているし、そのジンの頼みとあらば多少の無理を押してでも応えたいと思っている。

ましてやそれが、黒の組織への加入につながるかもしれないとなれば尚更だ。

そんなこんなで俺は今日、頼まれたプログラムの進捗報告も兼ねてジンと話をすることになっていたのだが……あらかたの情報共有を終えた今、ジンは俺をどこかへ連れていきたいらしい。

少し距離があるから俺の車に乗ってもらうぞと言って立ち上がるジンに、二つ返事でその申し出を了承した俺もすぐ席を立ってその大きな背を追いかけるのだった。