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「ごめんね、送ってもらっちゃうことになって」



と「いや、大丈夫だよ」



てつやとのことを見られていたし、そのことを私が触れてはいけないけど、
向こうが触れてきたときになんて言ったらいいのかがわからない。



と「昨日の俺のキャス聞いてたりしないよね?」



「ごめん…聞いてないかな」



と「そっか」



「私、としみつの歌声、どんな歌手よりも好きだよ。落ち着くし」



と「ありがとう」



「今度、歌ってね。いつもみたいになんとなくギター弾いて歌う雰囲気も好きだけど、
としみつがバチッとキメて歌ってるのも見てみたい」



と「おう」



なんとなく気まずい。



と「昨日さ、好きな人のことを思って歌ったんだよね」



「へー、としみつ好きな人いたんだ…」



なんだろう、ちょっとこの残念な気持ち。



と「Aのことだよ」



「…え?」




と「てつやはいい奴だし、りょうもいい奴なのはわかってる。
でも、俺はAのこと本当に好きなんだ。だから…俺にしなよ」



「でも…」



と「ごめん、こんなこと言っても俺に勝ち目はないよな」



「そういう訳じゃなくて…なんていうか…」



と「てつやにはもっと早く出会いたかったって抱き着いとったやん」



「それは…」



と「一方的で申し訳ないけど、俺の想いを伝えておきたかっただけだから気にしないで」



「…」



何て返したらいいのかわからない。



と「ね?」



「…うん」



その後、私たちは気まずくて一言も話さなかった。








「送ってくれてありがとう。またね」



と「おう、また来週」



車に向かっていくとしみつの背中を見て私は



「待って!!」



と「…どうした?」



としみつは振り返って私のところに戻って来た。



「私…まだ自分の気持ちがよくわかってないの。
てつやのことが好きなのかもしれないし、りょうのことが好きなのかもしれない。
でも…でも、としみつのことが好きじゃないとも言い切れない。
こんなの曖昧で3人の気持ちを弄んでるようで酷いのはわかってる。でも…」



と「いいよ。待ってる」



としみつは私のことを抱きしめてそう言った。



「ごめんね。ごめんね」



と「Aが謝らなくていいよ。
Aが本当に好きな人が誰なのか気付くまで俺は待ってるから」



そう言って体を離してとしみつは車に戻って行った。



家の前でこんなことするんじゃなかった。



誰に見られているかなんてわからないのに。

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作品ジャンル:恋愛
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さな(プロフ) - みことさん» とても面白いだなんて…!こんな駄作を褒めていただけて光栄です!ありがとうございます! (2018年2月6日 9時) (レス) id: d3d9450edc (このIDを非表示/違反報告)
さな(プロフ) - まちゅさん» ありがとうございます!楽しんで読んでいただけるよう頑張りますのでよろしくお願いします;) (2018年2月6日 9時) (レス) id: d3d9450edc (このIDを非表示/違反報告)
みこと(プロフ) - とても面白い作品です!これからも楽しみにしています! (2018年2月5日 22時) (レス) id: e05cb40cc5 (このIDを非表示/違反報告)
まちゅ(プロフ) - 続編おめでとうございます!これからも楽しみにしてます! (2018年2月5日 21時) (レス) id: 39523af4f0 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:さな | 作成日時:2018年2月5日 20時

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