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秘密でもない秘密 ページ21
俺には霊視能力がある。それは、四善など身近な人間は知っていることだが、あまりおおっぴらにされていない秘密だ。
四善がこの事故物件に俺が残ると言っても止めなかった理由の一つでもある。幽霊というのは、見えて、言葉が交わせれば、意外となんとかなってしまうものだからだ。俺にはそれができる。
そしてたぶん、魁もそれができるのだろう。見ているだけでわかる。今俺に声をかけた少女の霊が、どれだけ魁を慕っているのか。
藤はあなたを歓迎する、という花言葉を持っている。それが咲かないということは、俺が魁の味方でないならば、敵と認定するということだ。
俺は答えた通り、魁を見守る草木となるだけだ。
「まともなやつが来たわね」
魁に雰囲気の似たうちの学校の制服を着た少女が出てきた。
「お前、生き霊か」
「うげ、そんなことまでわかるの?」
俺はこの力をまあまあ使い慣れていたりする。
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作者名:瑠色 | 作成日時:2019年5月20日 20時